みらい図鑑

Vol.97 「ハーブ」 宮城県

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宮城県の蔵王山麓。
水が美味しく、自然が豊かな土地で、香り高いハーブが生まれています。



「日本の風土や文化にマッチしたハーブを作りたい」。
そんな想いでハーブ農園を営んでいるのは、二人の若き兄弟です。




「ざおうハーブ」、代表の平間拓也(ひらま・たくや)さんにお話を伺いました。

「苗のほうは、150種類ぐらい作っていますね。
たとえば、ミントって言っても、香りが違うミントがいろいろ10種類とかあったり
するんですね。
そうやって作っていくと、簡単に100種類とかいってしまうんですね。
楽しみ方は人それぞれで、正解はないと思います。
自分なりに見つけて楽しんでいただければいいのかなと思っています。」



「香草」、「薬草」などと同じ意味で使われる「ハーブ」、
植物によって、香りや薬理作用はさまざまです。

ヨーロッパのイメージが強いかもしれませんが、
「シソ」や「ショウガ」「ワサビ」など、和食文化に欠かせないものとして、
日本の土地に古くから根付いた「和のハーブ」もたくさんあります。



ハーブは、単体でメインになる事は少ないですが、メインを引き立たせる名脇役。
上手に取り入れることで、私たちの毎日の生活を、より潤いのあるものにしてくれます。

そんなハーブを、暮らしの中にぜひ取り込んで欲しいと平間さんは話します。

「ハーブって日常のいろんなシーンで、ちょっと良くしてくれるものだと思うんですね。
ないからといって命に関わるものではないんですが、
お風呂にちょっと入れてみるとか、料理に入れたらちょっとグレードが上がる。
ハーブティーならリラックスできるんですよね。
ホッと一息つけるというか。
そういうところが、ハーブのいいところなのかなと思います。」




ハーブをうまく活用することは、
植物が持ついろんなパワーのおすそわけをいただくということ。

それぞれのライフスタイルに合ったハーブを、是非、探してみてはいかがでしょうか。

Vol.96 「カスタネット」 群馬県

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群馬県の最北端にある町、みなかみ町。
面積の8割が森林です。
そんな町に、地元の森の間伐材を用いて、カスタネットを作る工房があります。




全盛期には1年間に200万個を生産していましたが、今は、8000個。
少量になったとはいえ、注文に応じて、丁寧にオーダーメイドで作るカスタネットが
人気を呼んでいます。

「カスタネット工房」の2代目、冨澤健一(とみざわ・けんいち)さんに伺いました。

「カスタネットに使っている木は、桜、ブナ、ミズキ、栗、栓、槐 (えんじゅ)。
そのなかで、いちばん響く音というのは桜の木です。」

使う木によって、タンタンタン、という音色が違ってくるんだそうです。



どうやってカスタネットに仕上げていくんでしょうか?

まず、材料となる木を天日で乾燥させて1年。
互い違いに置いて、風が通るようにしておくことで、良い音が出る木材になるんだそうです。

その後、木を丸い形に切り抜きます。
形を整え、内側の凹みを作って、ゴム穴やピン穴を開けて、ゴムを通せば出来上がり。



自然豊かな、みなかみ町で作られる、世界にたったひとつのカスタネット。
手に取るだけで優しくなれる。
木には、そんな不思議な力があると冨澤さんは話します。

「森の中にいると、心が落ち着くというのか。
それに近い感じがするんじゃ無いですかね。
肌触りがすごく良いと思います。
叩けば、すぐ、みんな、歌を歌っています。
カスタネットを作っていて、子どもたちに笑顔が届けられたらいいなと思っているので、
ぜひ、小さいお子さんも使ってもらえたらいいなと思います。」



カスタネットに触れるだけで、森が感じられ、自然を守る気持ちが芽生えてくる。
そして、叩くと笑顔が生まれる。
ステキな楽器ですね。

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