みらい図鑑

VOL.154「百年ピクルス」 佐賀県

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歴史的な町並みが今も残っている、佐賀県鹿島市の肥前浜宿。
古くから酒造りが盛んな場所ですが、
その良質な酒粕を原料に作られて来たものがあります。
それは、漬物。
日本が誇る発酵文化を象徴する食べ物ですよね。



その美味しさを、どうしたら、若い人にも伝えられるか。
どうしたら、100年前から続く文化を、
100年先まで受け継いでいくことができるでしょうか。

「漬物の、入り口になるような商品を作ればいいのではないか?」
そんな想いから生まれたのが、
パッケージがステキな「百年ピクルス」です。



「百年ピクルス」を企画して、製造を手がけているのは、
北御門裕一さんです。

「愛情のないような大量生産で作るよりも、
やっぱり、誰の野菜を使っているのか、
どういうところで作っているのか、
そして、そのピクルスには、どんな背景があるのか。
購入する方はきっと気になりますよね。
ぼくも、気になります。
百年ピクルスの特徴は、とにかく、九州さんの野菜にこだわりました。
縁のある農家の方々が心を込めた野菜です。
それらを手作業で漬け込んで、
その時だけの美味しさを瓶に詰めています」



彩りもかわいらしいですよね。
たしかに、若い方にとって、手に取りやすい商品です。

100年後に、発酵食品の伝統をつなげたい。
その入口となる「百年ピクルス」を作っている北御門さん。

「100年の想いを大切にしたいんですね。
歴史の中で生まれた、場所や人やことやものがありますよね。
様々な伝統を、
ぼくもこの先100年後につなげていきたいです」



北御門さん、今後は、ピクルス以外にも、
さまざまな発酵食品の提案をしていくそうです。

VOL.153「お麩」 新潟県

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2月2日は、「お麩の日」。
お吸い物に入っている、あの「お麩」です。

室町時代に中国からやってきたお麩は、
小麦栽培の発展とともに、全国に広がっていきました。

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新潟県にある「宮村製麩所」は、創業明治35年。
じつに、100年以上もお麩だけを作り続けています。
代表の宮村孝さんにお話をうかがいました。

「おでんやすき焼きのような煮物もそうですが、
揚げ物にしても美味しいし、
フレンチトースト、あとは、野菜炒め、チャンプルーのようなもので食べてほしいなと思います。」

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ふわふわとしたお麩ですが、実は、植物性タンパク質の王様と呼ばれるほど、
豊富な栄養素が含まれています。
カルシウム、鉄・亜鉛といったミネラルも凝縮されていて、
最近では、健康食品としても見直されてきています。

「宮村製麩所」、100年の歴史の中には、
「お麩」があまり売れない時代もあったそうです。

ですが、先祖代々の商いを絶やしたくない気持ちと、
食べた人に少しでも健康になってほしいという想いから、
ここまでがんばってこれたと宮村さんは言います。




そんな宮村さんのこだわりは、
“すべて自分の会社で作りたい”
“手作りで作りたい”
“なるべく健康によいものをつくりたい”。

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「やっぱりどうしても、味を付けたり、手間暇かかるものですから、
時間のない時代なので面倒かもしれませんが、
スローフードとも言いますし、カラダにも良い日本の伝統食品なので、
とにかく絶やさずに、食卓から消えないように食べていただきたいなと思いますね。」

揚げ物やフレンチトーストに、、、
今までとはちょっと違った食べ方で、お麩の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか?

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