みらい図鑑

Vol.11 「サッカースタジアムの“芝”」 埼玉スタジアム2002

radikoで再生する


5月15日は、Jリーグの日。開幕から23周年です。
そんなサッカーの影の屋台骨となるのが、スタジアムの“芝”。
それが今回のタカラモノです。

スーパープレイが生まれる裏には、ピッチ上の“芝”をベストコンディションに保つ、
職人技ともいうべき技術がありました。



6万人の観客が歓声を上げてひとつのボールを追いかける場所、埼玉スタジアム2002。
ここで、スタジアムのオープン時から芝生を育てているグラウンドキーパー、
輪嶋正隆さんの目線はいつもこんなところにあります。

「病気があるかないかだとか、順調に生育しているかどうかだとか、
サッカーのプレイを見ていて、芝がどのように傷んでいるのか、
傷んでいる場所はどこなのか、いろんなものを瞬時にみながら、
芝生の管理をやっているというのが現状ですね。」



輪嶋さんがスタジアムにやってきて15年。
2001年3月26日、日韓W杯の開催を翌年に控えた埼玉スタジアム2002のメインピッチに、
芝生の種が蒔かれました。
1年ほぼ365日、まったく同じ天候の年は1度もなく、芝生との付き合いは休みなく続きます。

「特にこの埼玉スタジアムの場合は、夏から秋にかけての管理が非常に難しい芝ですね。
高温多湿のときに病気になりやすいという欠点をもっています。
ですから、ある程度、順調に行ったときの安堵感は達成感と共にありますね。」

欠点を知り、丁寧に芝と向き合う毎日の努力によって、
このピッチは、Jリーグの2005年、2009年、2013年のベストピッチ賞に選ばれました。



芝は生き物。
100年後もコンディションの良い芝の上で、ボールを追いかける選手たちの姿を見たいですね。