みらい図鑑

Vol.121「未来へつなげたい生態系豊かな里山・孟子不動谷(後編)」 和歌山県海南市

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今月、番組が訪れたのは、和歌山県の海南市にある「孟子不動谷」。
地元では「お不動さん」の愛称で親しまれるお寺がある、自然豊かな里山です。
このお寺は、1200年前に空海が開きました。



こんな道を抜けていくと・・・



「ユネスコ未来遺産」の看板があります。
右を見ても、左を見ても、
とっても豊かな自然の風景が広がっています。






子どもたちも、このとおり。



和歌山県屈指の生物多様性を誇るこの孟子不動谷は、
海南市の北東部に位置しています。
稲作を主とする耕作地と、比較的低い丘陵地にひろがる落葉広葉樹林帯。
伝統的な農村の暮らしを支えた里山では、
1000年以上の間、人間と自然が、共生してきました。

ムササビにフクロウにアオヤンマにトノサマガエル。
環境省のレッドデータに記載されているような絶滅危惧種がいます。
ここには、たくさんの生き物が暮らしています。



ところが、数千年かけて営んできた里山の暮らしは、
数十年前に、一度は、途絶えました。
生活が不便になって、山から、だんだん、人がいなくなってしまいました。
かつて、豊かな自然に溢れていたこの土地から、
生き物たちが、いなくなってしまったんです。



そこで、昔の自然や原風景を取り戻そうと、、、
田んぼを復活させて、
野生生物のためのビオトープとして整備する取り組みが始まります。

取り組んでいるのは、
特定非営利活動法人「自然回復を試みる会 ビオトープ孟子」。
理事長の北原敏秀さんにお話を伺いました。



「ここは、ぼくが10歳ぐらいの時は、見渡す限り、田んぼでした。
小さい頃は、カブトムシを取りにきていました。
いろんな生き物がたくさんいたんです。
それが失われてしまったのが、今から60年ぐらい前でしょうか。
この孟子不動谷には、不動明王がいるんですが、
荒れ地になるに従って、地元の方でさえ誰も寄りつかなくなりました。
ぼくは、この空間が好きなんですね。
だから、ここで、ゆっくり本でも読みたいなあと思ったんです。
それで池を作ることから始めました。
水辺を作ったら、生き物も、そして、人間も集まってきました。
自然が、少しずつ、戻って来たんです。
そうして観察会を始めました。
それで、この自然を復活させようという動きになったんですね。
ぜひ、親子で来て欲しいと思っています。
そうして、自然を観察しながらコミュニケーションを取って欲しいんです。
かつて里山を作ったのは人間です。
生活をするために、田んぼを作ったんですよね。
今度は、未来のために、
もういちど、豊かな生態系をぼくたちの手で取り戻したいです。
お弁当を持って、ぜひ、いちど、来てください」



大切な里山の自然を守っていこうという取り組み。
それに賛同しているのが、
ダンロップと日本ユネスコ協会連盟が協働しておこなっている環境保護活動、
「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」です。

未来へ向けて、美しい里山を残していこうという活動。
「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」を推進しています、
ダンロップのお店、
タイヤセレクト平野店の上野良さんにも伺いました。



◯「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」について教えてください。

―「チーム エナセーブ」は、低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズの売上の一部を活用して、
DUNLOPとその商品を使用されるお客様とが一緒になって行う環境保全活動です。
具体的には、タイやインドネシアで100万本以上のマングローブの植樹を行っている
「チームエナセーブ GREENプロジェクト」、
そして日本ユネスコ協会連盟様と協働で日本の美しい文化や自然を継承していくために、
全国各地の方々と一緒に環境保護活動に取り組んでいる
「チームエナセーブ 未来プロジェクト」があります。
この活動はその「チームエナセーブ 未来プロジェクト」の一環として行っています。

◯日本ユネスコ協会連盟さんと協働されているんですね。

―そうなんです。日本ユネスコ協会連盟様が推進する「未来遺産運動」に協力して、
毎年全国各地の活動に現地のダンロップ社員やその家族が参加するほか、
低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズの売り上げの一部を使って支援もさせていただいています。

◯ダンロップさんは、ほかにも、さまざまな活動をされていますよね?

―そうですね。ダンロップでは、全国47都道府県で年に2回、
タイヤの無料安全点検を実施して、
空気圧の大切さを伝えながら、交通安全を呼びかけるなど、
地域に寄り添って地元の自然や安全を守る活動も行っています。
また、以前から国内外での緑化活動にも力を入れており、
全国各地で集めた「どんぐり」の苗木を育てて、
森作りに役立てる「どんぐりプロジェクト」という活動などを実施しています。

◯「チーム エナセーブ 未来プロジェクト」の今後について教えてください。

―こうした活動は一過性のものとなってしまっては意味がなく、
継続していくことが大切だと考えています。
ここ、孟子不動谷での活動は今年で5年目を迎えましたが、
今後も100年後の子供たちのことを想い、
美しい文化や自然を未来へ繋ぐお手伝いを、社員一丸となって続けていきたいと思います。



未来へ向けて、美しい自然を残していこうという取り組み。
チームエナセーブ未来プロジェクト。
今月おこなわれた活動には、
お話にもあったように、子供たちをはじめ、たくさんの方が参加していました。
楽しみながら、自然を守っていく大切さを感じたことが、
次に、つながっていくとステキですよね。
生態系豊かな「孟子不動谷」、
しっかりと、100年後へと、つないで行きたいなと思います。