みらい図鑑

Vol.122「備え梅」 東京都

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今回は、こんな防災グッズの話題です。名前は「備え梅」。
その名の通り、備えるのは「梅干し」です。



災害時、救援物資が届くまでには72時間、つまり3日を要すると言われているなか、
まずは“自分の身は、自分で守る”。これが重要になってきます。

そんな時に活躍するのが、日本人には馴染みの深い梅干し。
緊急時に梅干しが果たす役割は大きく、人体に必要な塩分や栄養の補給源として、
その有用性が叫ばれています。



特に、人間が生命活動をおこなううえで大事な分泌液が、「よだれ(唾液)」です。

唾液には細菌の繁殖を抑えたり、抗菌作用がありますが、
食べることが困難になると、唾液の分泌量が減り、体調維持に支障をきたしてしまいます。

そこで開発されたのが、お守りのように持ち歩ける梅干し、「備え梅」。

熊本地震のときに、極度の緊張から、子供たちのよだれが出なくなり、免疫が落ちてしまった。
そんな話を聞いたのが、「備え梅」誕生のきっかけです。

こちらを手がけた、竹内順平(たけうち・じゅんぺい)さんにお話を伺いました。

「特に子どもたちは、よだれが出なくなって病気にかかってしまったという事例を
たくさん聞いたんですね。
よだれと言えば、梅干しは、想像しただけでも出ますよね。
もしかしたら、梅干しでチカラになれるんじゃないかと思ったのがスタートですね。」




「備え梅」の賞味期限は3年。こだわったのは、「個包性」と「携帯性」。
1個ずつ包装された梅干しが、かわいらしい赤い巾着袋に入っています。




「防災品で調べた時に、ものすごく、こう、嬉しくないものしか無かったんですよね。
どうやったら備えたくなるか。
もしくは、人にあげたくなる、プレゼントにもできる防災品を目指しました。」

使われないことを願いながら、美味しく、見た目にも楽しく備える。
お守り代わりの「備え梅」は、プレゼントにも喜ばれるひと品です。