2008年11月9日
須賀敦子『ミラノ霧の風景』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

随筆家で翻訳家でもあった須賀敦子さん。今年は須賀さんの没後10年にあたるということで代表作「ミラノ 霧の風景」を選んでみました。1990年に刊行され、翌年には女流文学賞や講談社エッセイ賞にも輝いた随筆集です。今から50年前、当時29歳だった須賀敦子さんはイタリアに渡り、そこからの13年を主にミラノで過ごします。そして帰国後19年たった1990年、その時の思い出を綴ったのがこの作品。小川洋子さんも大好きだという1冊です。出版された当時、編集者の方から「すごいエッセイ集が出た」と教えられたのがこの本との出会いだったとか。読んでみると「繊細に織りあげたレースのような作品」と感じたそうです。

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