2008年11月16日
小林一茶『一茶俳句集』
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「痩蛙 まけるな一茶 是に有」や「雀の子 そこのけそこのけ御馬が通る」などで知られる江戸時代の俳人・小林一茶。「一茶俳句集」は、一茶が生前に残した2万の俳句から2千句を収めた1冊です。まずはその数に驚かされます。あの松尾芭蕉が残したのはおよそ千句と言われているので、いかに一茶が俳句をたくさん作ったのかがわかります。またどの俳句も身近な視線のものばかり。ささやかなものへの眼差しとユーモア。さらに小川さん曰く「小林一茶の真髄は自虐にある」とか。愚かな自分を俳句の中でさらけ出す、そんな姿勢を感じるそうです。「冷し瓜 二日たてども誰も来ぬ」。これはまさに自虐の名句ではないでしょうか?

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