2010年10月17日
柳田国男
『遠野物語』
 (角川ソフィア文庫)
心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今週は、発刊100年にちなんで「遠野物語」を取り上げました。「この話はすべて遠野の人 佐々木鏡石君より聞きたり。」と柳田国男が序文に書いているように、岩手県遠野出身の人物からその土地の伝承を聞いて、柳田国男が書き残したもの。ザシキワラシ、河童、山男、山女など、遠野に伝わる不思議なものがたくさん登場します。「旧家にはザシキワラシといふ神の住みたまふ家少なからず。」という独特の文語体が、空想の産物にリアリティを与えています。「読んでいくうちに慣れてくるので、食わず嫌いにならずぜひ手にとってほしい。」と小川洋子さん。ちなみに小川さんはオクナイサマの話が心に残ったそうです。

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