2011年03月20日
呉承恩『西遊記』
 (講談社青い鳥文庫)

実際に本で「西遊記」を味わってみると、そのスケールの大きさに圧倒されます。文章の中に「五百年の月日がたった」という言葉が何度も出てきて、孫悟空が三蔵法師と旅に出るまで何百年もかかります。さすが中国。文学の中にも悠久の時が流れているのです。ちなみに中国には、三蔵法師のモデルとなった名僧がいたとか。仏教を研究するために629年に長安の都を出発して、インドに入り、沢山のお経を求めた玄奘という人物です。青い鳥文庫の「西遊記」には、翻訳を手掛けられた松枝茂夫さんの解説も載っています。作者もはっきりわかっていないなど、「西遊記」にちなんだエピソードも楽しめるので、ぜひ巻末もご覧ください。

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