2014年02月23日

椋鳩十
『大造じいさんとガン』
 (偕成社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

長年、小学校の教科書に掲載されている「大造じいさんとガン」。椋鳩十が昭和16年に発表した児童文学です。72歳の狩人と残雪と名付けられた渡り鳥ガンの物語。自然と人間の正々堂々の戦いが描かれています。そのリアリティあふれる描写はどこから来ているのでしょうか?1905年(明治38年)に長野県の牧場主でお医者さんの子供として生まれた椋鳩十。彼は、小さい頃からお父さんに連れられて、狩猟のために山や野を歩きまわりました。また青年になると、日本中の山に足をのばし、狩人と親しくなっていったそうです。その経験や知識の積み重ねが「大造じいさんとガン」の物語に生かされています。

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