2014年05月04日
『とりかへばや物語』
 (角川ソフィア文庫ビギナーズ・クラシックス)

「とりかへばや物語」は、作者が誰であるのかわからない作品です。しかし実際に読んでみると「女性が書いたのではないかと思う」と小川洋子さん。主人公のひとりである女君(若君として育った女性)への寄り添い方でそう感じたそうです。この作品を通して男性社会の中で生きる平安時代の女性たちの苦しみを表現したかったのかもしれません。800年近くたった今も読み継がれている「とりかへばや物語」。この作品をモチーフにした少女小説や漫画も登場するほど、現代の作家にも刺激となる古典文学です。持って生まれた性をどう生きるかということは、昔も今も大きなテーマなのではないでしょうか?

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