2014年08月31日

メアリー・シェリー
『フランケンシュタイン』

(光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

何度も映画化され、9月6日にあらたな映画も公開される「フランケンシュタイン」。大きな体と継ぎ接ぎだらけの顔。漫画「怪物くん」にもフランケンが登場するなど、日本でもお馴染みです。しかし実際に原作本を読んでみると知らなかったことばかり。まずフランケンシュタインとは怪物の名前ではなく、それを創造した科学者の名前。また本を読んでみると、物語も複雑な構造になっています。まずウォルトンという北極探検の隊長が自分のお姉さんに宛てた手紙からはじまります。彼は海の上でフランケンシュタイン博士を助け、その助けられた博士が自分の体験を語ります。そこから自分の創りだした怪物の物語がはじまるのです。

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