2014年09月14日
『新編みなかみ紀行』
若山牧水
 (岩波文庫)

若山牧水の本名は若山繁。明治18年、宮崎県の医者の長男として生まれました。彼は中学の頃から短歌や俳句を詠みはじめ、19歳の時に号を「牧水」に。当時、最も愛していたもの二つ、母の名前「牧」とふるさとを潤す「水」をつないで作ったものです。牧水が本格的に旅に出るようになったのは30歳を過ぎてからのこと。31歳の時には宮城、岩手、青森、秋田、福島とひと月半かけて東北を旅しています。「新編みなかみ紀行」の最初に掲載されている「津軽野」はその旅による紀行文。人と人とのつながりを大切にする牧水の情のあつさ、そして酒がなくてはならないものだったことがわかります。若山牧水の人柄を知ることができる紀行文。命日を前にぜひ味わってみて下さい。

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