2014年10月05日

葉室麟
『蜩ノ記』
 (祥伝社文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

小泉堯史監督による映画化でも話題になっている「蜩ノ記」。原作は葉室麟さんによる2011年の直木賞受賞作。江戸時代を舞台にした時代小説です。場所は九州「豊後国」。最初に登場するのは羽根藩の武士「檀野庄三郎」。彼は城内で刃を抜き、騒ぎを起こしたことがきっかけで、切腹と引きかえに向山村に行くことになります。ここには戸田秋谷という人物が幽閉されていて、彼も実は10年後の切腹を命じられていました。秋谷を監視するのが庄三郎の役目。しかしやがて二人は師弟のような関係となり、秋谷に影響を受けて庄三郎も成長していくのです。

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