2014年10月05日
葉室麟
『蜩ノ記』
 (祥伝社文庫)

「蜩ノ記」の作者・葉室麟さんは50歳をすぎて歴史時代小説を書き始め、60歳の時にこの小説で直木賞を受賞しました。「60歳を過ぎて生きている日々に秋谷が見た風景が重なりあっていくような気がしている」と葉室麟さんご自身書かれています。「蜩ノ記」という題名は、秋谷が綴る日記のこと。秋の気配が近づくと1日が終わるのを哀しむかのように鳴く「蜩」と「その日暮らし」の身であるという意味をかけて名付けられました。10年後の切腹という過酷な運命を受け止め、一日一日を大切に生きる秋谷。その生き方を通して葉室麟さんが伝えたいのはどんな想いなのか?時代小説ならではの面白さと人間としてのメッセージが込められた作品です。

...前に戻る