2014年11月09日

山田詠美
『ジェシーの背骨』
 (河出文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

11月9日は2週間続いた「読書週間」の最終日。そこで小川洋子さんのご自宅の本棚にずらっと並ぶ愛読書の中から1冊選んでいただきました。取り上げたのは山田詠美さんの小説「ジェシーの背骨」。1985年に小説「ベッドタイムアイズ」で文芸賞を受賞して作家としてデビューされた山田詠美さん。その翌年に発表されたのがこの作品です。主人公はココという女性。彼女にはクラブで知り合ったリックという恋人がいて週末は必ず一緒に過ごします。そのリックの一人息子がジェシー。彼は11歳の少年で母親に捨てられ、今は父親のリックと暮らしています。リックは自分の息子が世界一ハンサムだと言いますが、ココはジェシーにどう接していいのかわかりません。

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