2015年03月29日
フェーリクス・ザルテン
『バンビ 森の、ある一生の物語』

 (岩波少年文庫)

「バンビ」を書いたフェーリクス・ザルテンは、1869年ハンガリーのブダペストに生まれ、その後ウィーンに移り住み、戯曲や小説を書いて活躍していました。しかしユダヤ人だったこともあり、ナチスによる迫害を逃れて1938年にアメリカに亡命しています。そして第二次世界大戦が終わったあとヨーロッパに戻ってきますが、その後まもなく亡くなってしまいます。ザルテンという作家のことはあまり知られていません。しかし「バンビ」を読むと、いかに彼が生き物へ深い視線を向けていたのかがわかります。そして子鹿の一生を通して、私たち人間というものの存在。人間にとっての生きることの意味も伝えているように感じます。

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