2015年04月12日

ガルシア・マルケス
『エレンディラ』
 (ちくま文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

「百年の孤独」で知られるコロンビアの作家ガルシア・マルケス。1982年にノーベル文学賞を受賞して、昨年の4月17日に86歳で亡くなっています。その命日を前に彼の作品を取り上げてみました。「百年の孤独」は長編で難解な作品でもあるため、今回取り上げたのは「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」という中編小説。題名のとおり14歳のエレンディラとそのお祖母ちゃんの話です。夢と現実を行き来しているようなお祖母ちゃん。そのいいなりになっている孫娘エレンディラ。ある晩二人に悲惨な出来事が訪れます。ロウソクの火がカーテンに燃え移りすべてなくなってしまうのです。そのためお祖母ちゃんはエレンディラにひどい方法で償わせようとするのです。

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