2015年06月07日

プーシキン『スペードのクイーン』
 (光文社古典新訳文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

プーシキンの「スペードの女王」というと誰もが知っている小説ですが、実際に読んだことがある方は少ないのでは。そこで今回は「スペードのクイーン」という題名が付いた新訳で味わってみました。1833年、プーシキンが34歳の時に書いた小説。最初の場面は、冬の夜、ある家で明け方までカードの勝負がおこなわれています。そこに登場するのがこの物語の主人公ゲルマン。彼は勝負事が大好きなのに、一度もカードを手にしたことがない男。しかし必ず勝つ3枚のカードがあることを知り、その秘密を握るアンナ・フェドートヴナ伯爵夫人に近づいていきます。さて彼を待っているのは悲劇なのかそれとも喜劇なのでしょうか?

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