2016年11月06日

サリンジャー
『フラニーとズーイ』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

読めば読むほど味わい深いサリンジャーの小説。その中から今回は「フラニーとズーイ」を味わってみました。1955年に発表された「フラニー」とその2年後の小説「ズーイ」。どちらも題名は主人公の名前から付けられたもの。二人はグラス家の兄妹です。サリンジャーはグラス家にこだわって様々な小説に登場させていて「フラニー」は一番下の妹。彼女はレーンという大学生と付き合っています。二人のデートの様子が描かれていますが、どこかぎくしゃくしていて、レーンはフラニーが何を大切にしているかをまったく理解していない。結局レストランでの食事中、フラニーは気分が悪くなり気を失ってしまうのです。

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