2016年11月06日
サリンジャー
『フラニーとズーイ』
 (新潮文庫)

小説「ズーイ」は、フラニーのすぐ上の兄の物語。25歳でテレビ俳優。そしてこの物語のもうひとり重要な登場人物はミセス・グラス。グラス家の母親で彼女はフラニーのことを心配して、ズーイに助けを求めています。母親は苦しんでいる娘にどうにかしてチキンスープを飲ませたいと考えている。実はこのチキンスープが作品の核のひとつ。こんがらがったように見えるフラニーの苦悩を解いていきます。発表からおよそ60年の「フラニーとズーイ」。読めば読むほど味わい深いのは何故なのでしょうか?ちょっとしたバランスの崩れで変わってしまうナイーブな小説。だからこそ読者は自分のその時々の読み方で味わうことができるのです。

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