2016年11月13日
円地文子
『鬼』
 (ちくま文庫「名短篇、ここにあり」)

今回は、ちくま文庫の「名短篇、ここにあり」というアンソロジーで、円地文子さんの「鬼」を読んでいきました。この本は、作家の北村薫さんと宮部みゆきさんが数ある短編小説の中から名作と感じられるものを12篇セレクト。このお二人がどんな作品を名短篇と感じているのか、それだけでも興味深い1冊です。この本の最後には、お二人の対談も掲載されていて、円地文子さんの「鬼」について、宮部みゆきさんはこんなふうに語られています。「親子の距離感を誤って起きる事件が頻発している今だからこそ、ぜひ読んでもらいたい」とのこと。何十年も前に発表された作品の中にも現代的なテーマが暗示されているのです。

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