2017年6月18日

芥川龍之介
『河童』
 (新潮文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

芥川龍之介の作品は、今までに「羅生門」「トロッコ」「蜘蛛の糸」「芋粥」「鼻」を取り上げましたが、今回は後期の小説「河童」。今からちょうど90年前の昭和2年に発表されました。物語は、ある精神病患者が話したことを書き写し紹介する形式をとっています。その書き写した出来事は、彼が偶然、河童の世界に迷い込み、特別保護住民として暮らすというもの。人間社会とはまるで違う価値観を持つ河童の世界に戸惑いながらも、彼は様々な人物に出会います。漁師のバッグ、医者のチャック、学生のラップ、哲学者のマッグ、音楽家のクラバッグ、資本家のゲイル、そして詩人のトック。個性豊かな河童たちが登場します。

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