2017年9月24日

大崎善生
『聖の青春』
 (角川文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

今回取り上げたのは、2000年に「新潮学芸賞」を受賞した大崎善生さんの「聖の青春」。村山聖という天才棋士の人生を描いたノンフィクションです。1969年(昭和44年)広島県で生まれ、17歳で将棋界にプロデビューした村山聖。羽生善治さんがプロになった1年後のことです。しかしその人生はとても短いものでした。子供の頃、高熱を出したあと、腎ネフローゼという病を抱え入退院を繰り返していきます。その入院生活の中で出会ったのが将棋。将棋によって心の翼を持つことができた村山聖は、プロ棋士になることを心に決め、実現させます。家族、師匠など身近な人たちの支えもあって「東に天才羽生、西に怪童村山」と言われるまでになっていきます。。

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