2017年11月5日

フィリップ・K・ディック
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』
 (ハヤカワ文庫)

心の本棚にある、たくさんの名作の中から、今週はこちらをご紹介します。

アメリカのSF作家フィリップ・K・ディックが1968年に発表した「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。この小説を原作にした映画「ブレードランナー」は1982年に大ヒット。現在その続編となる映画「ブレードランナー2049」が公開されています。「アンドロイド」という言葉は現在よく耳にしますが、この小説が発表された当時は不思議な響きを持っていたのでは?さらに「電気羊」という耳慣れない言葉が組み合わさる題名は、とても斬新で読者に不安と興味を与えます。物語の舞台は最終世界大戦後の未来。地球表面の大半が放射能の灰で汚染され、生きている動物を持つことが地位の象徴でした。主人公であるリック・デッカードも本物の動物を望んでいましたが、お金がないため屋上で電気羊を飼っています。

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