メッセージ
today's topic

ナチスドイツの、不治の精神病者へ行う安楽死・・・。救いようも無く暗い題材を扱った作品ですが、さすが「マンボウ先生」。ちょろりちょろりと文章の中に、「ん?」と立ち止まるようなユーモアをちりばめているのです。例えば、主人公のケルセンブロックが「ウオノメ治し」の二階に下宿をしていたり(ウオノメ治しって何?!)、舞台となっている精神病院には「六人の総統(と自分を思い込んでいる患者)がいる」という記述などなど。読み手は、運命のつらさ、残酷さの中にどっぷり漬かってしまう作品ですが、こういった微量のユーモアが、かすかな救いとなってページをめくる力をくれているのかもしれません。
(アシスタント:藤丸由華)

2009年01月18日
新美南吉
『手袋を買いに』

2009年01月11日
ゲーテ
『若きウェルテルの悩み』

2009年01月04日
十返舎一九
『東海道中膝栗毛』

2008年12月28日
2008年 振り返り
村上春樹
『風の歌を聴け』

アーカイブ
ショスタコーヴィチ:交響曲第13番変ロ短調「バビヤール」より第一楽章/アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
ショスタコービッチが1962年に作った交響曲。「バビヤール」とはキエフ北西部の谷間の名前で、1941年キエフを占領したナチスの軍隊が何十万というユダヤ人、ウクライナ人を虐殺した場所です。
菩提樹(シューベルト)/ルネ・コロ
北杜夫さんが、徹子の部屋に出たとき必ず歌ったのはこの曲と浪花節だそうです。
Down There By The Train/トム・ウェイツ
ホロコーストの物語では収容所へ続く線路と汽車のイメージは象徴的です。
この曲は、「全ての人が乗っている汽車が速度を緩めて通っていく場所がある、罪を清める場所を」という内容です。
トム・ウェイツがジョニー・キャッシュに書いた曲で、グラミー賞受賞アルバム「オーファンズ」でセルフカバー。

 
今まで紹介した作品
当サイトは Amazonアソシエイトプログラムを利用しています。