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鶴が出てくる昔話といえば、鶴がおじいさんとおばあさんに恩を返す『鶴の恩返し』と思っていた私にとって、鶴=嫁バージョンの『夕鶴』はとても新鮮でした。一見、欲に負けた愛の話に思えますが、小川さんの指摘にあったように、物語の中ではつうの独占欲なども見え隠れし、手に負えない色々な“欲”を描いていることに気づきます。戯曲なので、ほぼセリフだけで物語が進んでいきますが、そのセリフにも「人間社会でつうが超えられない壁」「つうの言葉は与ひょうにしか通じてない」など、さまざまな暗示が潜んでいます。戯曲を本で読むという機会は少ないものですが、文字で読むからこその楽しさ、深みを木下順二は教えてくれます。
(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2013年1月13日
庄司薫
『赤頭巾ちゃん
気をつけて』

2013年1月6日
『良寛〜旅と人生』
2012年12月30日
2012年を振り返って
2012年12月23日
岸本佐知子
『ねにもつタイプ』

アーカイブ
シベリウス:鶴のいる情景 劇音楽「クオレマ」作品44より/バーミンガム市交響楽団 サイモン・ラトル(指揮)
フィンランドの作曲家シベリウスの作品。東日本大震災のあと、ウィーンフィルが日本を思ってこの曲を演奏したことも。
團伊玖磨:オペラ「夕鶴」より「前奏曲」/読売日本交響楽団 若杉弘(指揮)
戯曲「夕鶴」のセリフすべてに歌がついたオペラ。「木下さんがひとつひとつの言葉に思いをこめた、ていねいにかかれているセリフ、ひとこともないがしろにできないということですね」と小川さん。

ジャヌカン:鳥の歌/ドミニク・ヴィス&アンサンブル・クレマン・ジャヌカン
「聴き耳頭巾」にちなんで、鳥の声を人間が歌ってしまった曲です。ルネッサンス時代の曲です。

 
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