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「新聞小説」らしい、大人も子どもも楽しめる『悦ちゃん』。それにしても出てくる大人が皆酷い!育児放棄の父、職場放棄のばあや、身勝手な母親候補、冷たい叔母さん・・・。こんな大人に囲まれていても元気いっぱい自分の持ち味を武器にたくましく生きる悦ちゃんを、当時の読者たちも毎日応援していたのではないでしょうか。唯一良い大人として登場する鏡子さんの存在には小川さんも私もほっとさせられましたが、彼女もまた気を遣いすぎな継母の下で寂しい生活を送っている女性。しかしこの寂しさが他人の子への母性を育て、やがて悦ちゃんを幸せにするのですから、この世に無駄な苦労なんてない!と思わせてくれる、本当に明るい結末の文学遺産です。

(アシスタント:藤丸由華/藤丸のブログはこちら!

2016年6月19日
シルヴァスタイン
『ぼくを探しに』

2016年6月12日
牧野富太郎
『なぜ花は匂うか』

2016年6月5日
ドストエフスキー
『白夜』

2016年5月29日
津島佑子
『光の領分』

アーカイブ
アメフリ/平井英子
第1話、悦ちゃんは碌さんとお墓参りに行きこの曲を歌います。悦ちゃんが歌うと切ない詩ですが、悦ちゃんはこれまでとは違うタイプの童謡歌手としてのちにレコード・デビューします。この童謡の録音は、昭和6年です。
The Right Someone to Love/シャーリー・テンプル
テンプルちゃんみたいね、と鏡子さんに言われ、日本テンプルちゃんで、デビューすることになる悦ちゃんです。”愛するにふさわしい誰か”に碌さんが気が付いてよかったですね。
パパと踊ろうよ/アンドレ・クラヴォー
獅子文六はフランス人女性と結婚していたのでシャンソンのヒット曲。悦ちゃんが碌さんと再会できてよかった、そして鏡子さんがママになってくれてきっと悦ちゃんは踊りだしたくなるくらい幸せだったと思います、と小川さん。
 
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