三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2022.11.29

古い建物を再生させる

株式会社 再生建築研究所
代表取締役
神本豊秋さん
リノベーションとは違う「再生建築」



ONE MORNING「 The Starters 」。
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは、
株式会社 再生建築研究所 代表取締役の神本豊秋さんです。
おはようございます!

神本豊秋さんは大分県のご出身。
大学は工学部建築学科、卒業後、8年間、青木茂建築工房に勤務され、
2012年にご自身の建築設計事務所を設立されます。
また、東京大学の研究員として、再生建築の研究を行いつつ、
2015年に株式会社 再生建築研究所を設立されています。

今週は主な事業内容を行います。
まず会社の名前にもなっていますが「再生建築」について教えて下さい。


「日本の建築の平均寿命はおよそ30年と言われていて、
 30年経ったら建て直されるか廃墟に。
 一方、欧米など、世界中の建築の平均寿命は100年以上。
 また、日本の古い建物は、耐震、老朽化、設備、バリアフリー、
 間取り、法律などに適合しなくなり、今のニーズに一致しません。

 ただ、骨格(建物自体)はまだまだ健在です。
 これを再生することにより、デメリットをメリットに変え、
 逆に新築ではつくることができないメリットを残し、
 新築以上の価値を持たせて生まれ変わらせることが可能だと考えました。
 これまでは作っては壊して、都市を更新し続けてきたが、
 これからは古い建物の価値を見出し、生まれ変わらせる時代がきます。」


「再生」するのは古い木造の建物だけですか?

「むしろ、マンションやビルの方が多いです。」


建物ではリノベマンション(リノベーション)や
リフォームといった言葉がありますが、再生建築との違いはなんでしょうか?

「リノベは応急処置的、再生建築は長期的。
 リノベはビルの1室、フロアなど部分的にきれいに快適にしてくれますが、
 再生建築は、ビル全体へのアプローチ。
 今の法律に適合していない部分にちゃんと向き合って、
 避難計画、耐震補強など、社会的ニーズにはちゃんとこたえていく。
 そうすることで売り買いもできる。
 一概には言えませんが、内向きに徹底的に快適にできるのがリノベで、
 外向きにも快適にかつ不動産価値を向上させることができるのが
 再生建築と考えています。」


実際に「再生建築」を行う場合、難しいところはどんな点にありますか?

「ルールですね。今の法律で建てかえると、
 建物の階数や面積を減らして建て直さなければいけないこともしばしばあります。
 再生建築は、新築では再現し得ない、味わいのある空間を残すこともできます。
 社会の選択肢として、まちや社会に浸透させたい、という野望があります。」


再生建築は、どんな手順で行うのでしょうか?
基本的な流れを教えて下さい。

「調査 ⇒ 企画 ⇒ 設計 ⇒ 運営。

 『調査』は、耐震性、遵法性など課題を整理し、
  再生方針について多様な潜在価値を探ります。

 『企画』は、新築と再生の比較など、
  土地・建物の価値を向上させる様々な可能性をお見せします。

 『設計』は、古い建物の活用、法規制、耐震補強など
  様々な課題を解消しながら、豊かな空間を描きます。

 『管理』は、造ることにとどまらず、
  管理・運営、イベントの企画など建物に長く関わり続けます。」


さて、今週はそろそろお時間です。
最後に、これまで乗り越えてきたハードルを教えて下さい

「リノベーションと何が違うのということで、
 世間の皆さんが再戦建築を理解しづらいとこがあるので、
 理解してもらえるようなルール浸透させる取り組みを行なっています。」


ありがとうございました。
株式会社 再生建築研究所の神本豊秋さんでした。


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