三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2023.12.19

幼魚を文化に

株式会社カリブ・コラボレーション
代表取締役社長
鈴木香里武さん
水族館の企画展示、水槽空間のプロデュースなどを展開



ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週のゲストは先週に引き続き、株式会社カリブ・コラボレーション代表取締役社長の鈴木香里武さんです。

鈴木香里武さんは東京のご出身で現在31歳。小さい頃から魚と音楽に親しみ、2008年、スペシャリスト集団「カリブ会」を立ち上げ、分野の壁を超えたコラボレーション企画のプロデュースを開始。そして2010年、株式会社カリブコラボレーションを設立。現在、北里大学大学院で事業の研究をしながら企画のプロデュースイベントやメディアへの出演、執筆、魚の映像資料提供などの活動をされています。

先週は鈴木さんが魚好きになった経緯や会社の事業について伺いました。今週は鈴木さんが専門に行ってる岸壁幼魚の採取について伺いたいんですが、岸壁幼魚とはなんですか?

「岸壁というのは漁港のことですね。コンクリートで固められた壁面で岸の壁とか言って岸壁ですかそうですね。幼魚はもう字のごとく魚の赤ちゃん、幼い魚のことで、稚魚よりちょっと成長したぐらいのイメージです。幼魚はどちらかというとプランクトンのように漂ってる感じなんですね。幼魚になると、人間でいうと元気に走り回る小学生みたいな感じで、小1から小3ぐらいかな、結構泳ぎ回ることになりますね。」

岸壁付近にいるんですか?

「そうなんです。灯台下暗しという感じで皆さん釣り糸をたらして、釣りをして大きな魚を狙ってらっしゃるけど、そんな足元には人知れず幼魚パラダイスが広がっているんですね。これは幼魚がまだ体が小さくて、敵に見つかったらすぐ食べられちゃうし、海が荒れてると泳ぎ疲れて死んじゃうし、そういうか弱い存在なので、漁港という囲まれた場所はすごく敵も少ないし流れも穏やかということで、彼らにとってはいい隠れ家になってるんですね。そんな漁港の足元にはいつくばって、タモ網という柄のついた網でひたすら上から救うという壮大な金魚すくいみたいなものをやるのが岸壁幼魚採集家です。」

それの目的というのは、やっぱり研究ですか?

「元々は研究だったんですけれども、僕が館長を務める幼魚水族館というものが去年オープンしまして、そこで展示していますので、今はお客さんに見てもらうっていう目的もあります。世の中に幼魚の記録って本当に少ないんですよ。成魚はよく知られてるんだけども、幼魚全然見たことがないということが多いので、その漁港で出会ったものが世界初の大記録になったりするんですね。」

例えばどんな種類の幼魚がいるんですか。

「今の季節だと、だんだん気温も下がってきて水温も値下がってくるので、深海の赤ちゃん、深海幼魚が現れるんですよ。本当は200mより下にいる魚のことを深海魚というんですけれども、この水温の低い時期だけ、赤ちゃんが海面に上がってくるんですね。浅瀬で生まれて、浅瀬で育ってから深海に行くという子が多いので、実は深海魚ってそんなに遠い存在じゃなくて、リュウグウノツカイとか幻の深海魚なんて言われて、よく打ち上がるとニュースになりますけれども、あれの数センチの赤ちゃんを漁港で3回救ったことがあります。」

それが幼魚水族館に行けば誰もが見られるわけですよね。ただ幼魚はいつか大人になるじゃないですか。水族館を卒業するんですか?

「その通り卒魚式というのをやるんですよ。全国、もっと言えば世界の水族館、別の水族館にちゃんと進学していくんですね。無償提供して、今度は別の場所で成魚として、第2の魚生としてそこで新しいお客さんを楽しませるという感じで物語を繋げていきます。」

鈴木さんが特におすすめの岸壁っていうのはあるんですか?

「水族館があるのが、静岡県の清水町というところなんですね。三島と沼津の間ぐらいにあるんですけれども、なので沼津周辺の漁港に行くことが多いですね。駿河湾が日本で一番深い海で、2500mぐらいの水深があるので、深海魚が上がってきやすいんですよ。」

行ってみたい海などはありますか?

「マダガスカル。あそこはシーラカンスがいるんですよ。シーラカンスって永遠の憧れで、恐竜の時代、もっと古い頃から姿を変えていない。あの魚に一度会ってみたいなと思ってそこの海には潜ってみたいなと思いますね。深海潜水艇で。」

新種の魚を見つけたいとかそういう欲望とかはないんですか?

「自分の名前をつけるこれも夢の一つですね。ただ自分の名前って言いましたけど一番やってみたいのは、カワハギの仲間でちょっとぷっくりしたフグみたいな体型のがいるんですが、それの新種を見つけてふくらはぎって名前つけたいなとすごい思っています。」

最後に、これからの夢を教えてください。

「幼魚を文化にするってことですね。今だと幼魚って何と聞かれちゃうので、幼魚って言えば誰もがイメージできて、誰もが自分の推し幼魚を3種類ぐらい言える世の中を作るというのが僕の次の目標ですね。」

株式会社カリブ・コラボレーションの鈴木香里武さんでした。ありがとうございました!


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