三協フロンテア presents The Starters(ザ スターターズ)

パーソナリティ ユージ・吉田明世20代~30代の若手起業家をゲストに迎え、
彼らがどんな発想や未来への展望を持ってブレイクスルーを起こそうとしているのかお話を伺います。
高い意識とモチベーションで社会に風穴を開けようと取り組む彼らの話が、
「あなたも、世の中を変えられる!」という、
朝、仕事へ向かうビジネスパーソンのやる気のカンフル剤になることを目指してゆきます。

Guest ゲスト

2024.03.05

複業で先生をしたい人と学校をつなぐ

株式会社 LX DESIGN
代表取締役
金谷 智さん
教育特化型の人材活用プラットフォームサービス『複業先生』を展開



ONE MORNING「 The Starters 」
火曜日のこの時間は社会に風穴を開けようと取り組む若き起業家をお迎えして
そのアイデアの根っこにあるものや未来へ向けたビジョンを伺います。

今週と来週のゲストは、株式会社 LX DESIGN 代表取締役の金谷 智さんです。

金谷智さんは1990年生まれ、富山県のご出身。東京学芸大学 教育学部を卒業後、公立小学校の学級担任などを経て、2018年に教育系スタートアップ、「LX DESIGN」を設立されています。

今週はLX DESIGNの事業について伺います。主に複業先生というサービスを展開されていますが、これどういったサービスなんでしょうか?

「学校の先生たちが、民間の方たち、一般企業でお仕事されていたりとか、起業家の方たちに学校の中に授業をお願いできるというサービスを運営しています。僕自身元々小学校の教員なんですが、世の中の人たちに少しでも学校の先生のお仕事の面白さとか、場合によっては難しさとか、大変さとか、何かそういったものを知ってもらいたいなと思って始めました。」

金谷さんは先ほど紹介ありましたけど、先生の資格を持ってるんですね。

「そうなんです。元々両親までずっと教員をやってる家で育ちまして、小さい頃から教員やりたいなと思って、数年ですが都内で教員をやっていました。」

実際に教えてくれる先生の授業の内容というのは今IT化が進んだり、先生も勉強しなきゃいけないことがたくさん増えたと思うので、得意じゃない分野だけ頼むとかそういったこともできるということですね。

「まさにその学校の中で、これまで文脈としてあまりなかったITとか企業とか、今でいう環境教育とか、僕らが小さい頃にはあまり学校の中で話題としていなかったけれども、今まさにニーズが高い領域を、学校の先生たちだけで準備をしようとするとすごく時間がかかってしまったりとか、場合によってすごく難しかったりということを、直接プロにリアリティを持って、5分でいいから喋ってもらうとかいうことを可能にしています。」

これまで実際にどういった授業を行われてきたんですか。

「例えばエンジニアの方がIT業界の仕事ってこんなことがあるんだよとか、あるいは起業家の人たちがどういう思いで会社を始めたり、仕事をしているかということを小学生から高校生向けにオンラインでお話いただいたり、あとは海外から日本の子たちのために授業をしていただくということもあったりしています。」

海外からということはオンラインで行われるんですか?

「コロナ禍で始まり盛り上がったサービスではあるので、そういった意味で、今、海外20カ国ぐらいから複業先生というコミュニティに登録をいただいて、授業していただいてる人たちがいるという状況です。今だと主に日本語話者の方たちが、元々日本で育って、いろんなお仕事だったりご家族の都合で他の国にいると、けれども日本の教育に何か関わりたい、貢献したいというような人たちが、その機会を今まで探したんだけどあんまりなくて、今回ようやく見つけたというのでご登録いただいているケースが多いです。」

外国の文化を、実際に住んでいる人の目線から学べるというのは貴重ですよね。

「知識を得られるみたいな話ももちろんそうなんですけど、生き方の一つとして、場合によっては小さい頃その環境が合わなくていろんな理由で海外に行ってみたら、こんな人生になったよとか、必ずしもずっとハッピーだったという話じゃないストーリーもたくさんあって、そういったことに勇気をもらう子たちがいたりとか、あるいはその複業先生の授業を聞くためだけに、年に1回学校に来るといういう子たちもいたりとか、本当にいろんな場合によっては救いとか癒しになっているってことを見て僕らも感動しています。」

これは教員免許を持ってなくても教えることはできるんですか?

「元々学校の先生のお仕事の中から、免許がなくても関われるお仕事から募集をしていって、徐々に免許が必要なお仕事にも幅を広げているという状況です。」

登録した先生役の人に熱意があったとしても、教える技術がいまいちという場合もあると思うんですけども、そういったときはどうされてるんですか?

「LX DESIGNの社内にいる元々学校の先生の現場経験のあるメンバーがサポートさせていただいたり、あるいはWebのシステムを提供させていただいているので、その中で授業作りのご支援をしたりというので経験がなかったり、あんまりこういうことに慣れてないという方たちにも安心してご参加いただけるように配慮しています。」

審査とか、ちょっとこの人向いてないなみたいな人も中にいると思うんですけど、本当に誰でも、もう先生になれるんですか?

「オンライン上での審査が完了した後に、授業の依頼を受け付けることが可能になっていまして、ある意味学校教育に関わっていただくべきとは一体どういう人なのかというのを、弊社側で一応定義していて、タイミングとして合わない方たちには、複業先生の養成講座みたいなものを経験いただいたりとか、あるいは別のタイミングでまたお願いしますというので審査を一応挟ませていただいています。」

先生として報酬も出るんですか?

「学校から僕らがお金をいただいて、その中の一部を複業先生に払い出すという形をとってまして、学校側からいただいてるお金がまずバラバラなのが一つと、もう一つは教えることができる人の希少性というか、どれぐらい難しいかみたいなものによって金額が若干変わります。複業先生の登録者の方たちに資格みたいなものを僕らの中で付与させていただいてて、ジュニアランクからプロランクみたいな、ものによって先生方の依頼の負荷が変わったりとか、経験によってのコミュニケーションの慣れ方などで変わったりします。」

何歳ぐらいの方が多いですか?

「30代がメインのターゲットというか多いところで、20代からもちろん、60・70代までご登録いただいてる方たちもいらっしゃいます。まさに40年とか、その道のキャリアがある方たちがこの歴史を語ってくれたりとか、逆に40年のキャリアがあってもなお学び続けていらっしゃるそのスタンスを見て、大人になってもそんなに変化し続けるんだみたいなことが、逆に刺激になってたりしていますね。」

副業でやられる方が多いと思うんですけど、メインの仕事はどういうことやってる方が多いんですか。

「起業家から企業勤務の方たち、あるいはフリーランスの方たちまでいろいろいらっしゃって、大学生の子たちもいますね。高校卒業するタイミングで、今まで自分が複業先生の授業を受けてた側だったんだけども、次は自分も関わる側になってみたいというので戻ってきてくれたりとか、あるいは大学時代に関わってくれた子たちが、これから教員になりますというので、行った先の学校で活用してくれたりとかいうような循環、教え子が更に登録してきてくれたりとかみたいなことが起こってます。」

人気のある授業とかはあるんですか?

「誰にとって何が授業が感動するかみたいなのって僕らも読み切れないところもあって、とにかく機会を増やしていくというのがまず前提にあって、今でいうと、IT業界の仕事って何なんでしょうかとか、まさに伝えるっていうことって何なんでしょうかとか、あるいはいろんな地域で働いてみるって何なんでしょうかみたいなことがちょっとずつ増えてきてるかなと思っています。最初はIT・企業・グローバルみたいな、学校の中に馴染みのない文脈のニーズを満たしに行こうと思ってサービスを始めたんですけども、去年の一番喜んでいただいている事業の一つは、お笑い芸人さんによるコミュニケーションの授業だったりします。」

最後にこれまで乗り越えてきたハードルを教えてください。

「最初はやっぱりなかなか学校の中にありそうでなかった仕組みではあったので、ご理解いただくまでに少し時間がかかったりとか、その中で僕たちが新しい仕組みを作るということでいろんな人に助けてもらいながら何とかやってるなというふうに思っています。」

株式会社 LX DESIGN の金谷 智さんにお話を伺いました。ありがとうございました。


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