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2018.01.05 Fri

創業は敵討ちのため? 美容と健康に甘酒。天野屋

お正月ということで、神田明神の入口にある、甘酒で有名な天野屋をご紹介します。
天野屋の天野史子さんに小宮山雄飛さんが話を伺いました。




敵討ちのために江戸へ出て来ました。





小宮山雄飛「天野屋さんは建物だけを見ても、かなり古そうですね」

天野史子「江戸末期の1846年(弘化3年)、ちょうど篤姫の時代に創業しました。元々、初代の天野新助は京都・丹後の宮津藩の殿様だったんです。江戸で道場を開いていた弟が暗殺されたので、敵討ちのため1846年に江戸へ出て来ました。江戸へ行く人々は店の横の中山道を通るので、ここに店を構えていれば必ず敵が見つかると思っていたんです」

小宮山「敵討ちのために店を作ったんですか? 甘酒屋は世を忍ぶ仮の姿?(笑)」

天野「でも、敵の姿や形がわからないので見つかりませんでした……(笑) 京都へ帰るに帰れず、侍をやめて商人となりここに住み着くように。以前からここの地下に糀(かうぢ)の土室(むろ)があったので、米糀で甘酒や味噌を作るようになりました」


お砂糖を使っていません。



甘酒には、酒粕で作る物と米糀で作る物の二種類があります。天野屋さんは米糀。お店の中で温かい甘酒をいただきました。

小宮山「ほんのり甘いですね」

天野「砂糖を使っていません。米糀だけです」

小宮山「どうやって作るんですか?」

天野「まず、4日間かけて糀を作ります。米を炊いておかゆ状にし糀と混ぜ、温度は60度で10時間保ちます。その後、涼しく風通しの良い暗所に5〜6日間置くと発酵して甘みが出てくるんです」

小宮山「甘酒は、飲む以外に使い方はありますか?」

天野「原液は砂糖の代わりになります。卵焼きや肉じゃがなどの煮物に、砂糖と同じ分量だけ入れると美味しいですよ」

小宮山「うち、ちょうど砂糖が切れていたんです! 買っていこうかな?(笑)」






田中みな実「天野屋さんの甘酒は、めちゃくちゃ美味しくて甘い!」

小宮山「砂糖を使っていない甘さです」

田中「私、煮物に甘酒を使っているんです。料理していたら、砂糖の量の多さに気づいて。甘酒は美容にも健康にも良いそうなので、取り寄せて使っていますよ!」



全部、神田明神様で祈願しています。





小宮山「受験生にも大人気らしいですね」

天野「甘酒を飲むと血のめぐりが良くなって、たぶん覚えがよくなるのでは?」

小宮山「たぶん……って、アバウトですね(笑)」

天野「受験の数日前から甘酒を飲んだら受かったという人は多いです。うちの甘酒は全部、神田明神様で祈願しています」

小宮山「最近、甘酒は健康に良いとブームですよね」

天野「私が嫁に来た60年前は、おじいちゃんおばあちゃんとお孫さん多かったですけど、今は若い方がすごく多いですね」

小宮山「甘酒にはアルコールが入っていないんですか?」

天野「アルコールは一切入っていないので、赤ちゃんの離乳食にもぴったり。うちの子どもの離乳食も甘酒でした。東京医科歯科大学にも安く納入しています。『飲む点滴』と言われていますから」




田中「甘酒は体にも美容にも良い。毎日飲みたい!」

小宮山「天野史子さんはお嫁に来て60年ということなので、おそらく80歳前後。なのに、めちゃくちゃ若いでしょ。お肌はツヤツヤ!」

田中「60代半ばくらいにしか見えない! 綺麗だわ!」

小宮山「毎日甘酒を飲んで、料理にも使っているそうです」



敵討ちなんて、忘れちゃいました。





小宮山「甘酒以外の商品は?」

天野「味噌。田楽味噌。大根ときゅうり、生姜の味噌漬けを売っています。自分で作れる塩糀も売っています」

小宮山「180年近く前の敵は、まだ取れていないんでしょうか?」

天野「取れてないです。そんなのもう忘れちゃいましたよ(笑)

小宮山「敵討ちでたまたまここに来て、これだけ商売が繁盛してるという……」

天野「今時、敵討ちなんて流行らないですし(笑) おじいちゃんおばあちゃんもみんな亡くなって、どこのだれ兵衛だか全然わからないですから……(笑)」


毎日4〜5杯の甘酒を飲んでいます。





これからのワクワクを教えてください。

天野「私たちは健康に働かないといけないので、毎日4〜5杯の甘酒を飲んでいます。疲れ方が全然違うんです。お肌もピチピチ。お客様もうちで飲んで、本当の甘酒を知ってほしいです。小さなお子さんからお年寄りにも良いです。おいしい味噌などの商品もありますから、ぜひいらしてください!」


放送でご紹介できなかったお話





小宮山「今後、どういう展開をしていきたいですか?」

天野「今まで同様、手作りの良さを生かし、味を忘れないようにします。大量生産をすると、どうしても味が落ちますから」

小宮山「デパートでの出店は?」

天野「昔から、三越や高島屋、伊勢丹などで売っています。それ以上増やさないようにしています」

小宮山「商品は全部こちらで作っているんですか?」

天野「店の奥に製造場所と土室があって、全部ここで作っています。女の人は店で販売を。男の人は職人として製造場で働いています」




天野屋
東京都千代田区外神田2-18-15
http://www.amanoya.jp

〈本日のオンエア曲〉
TIME AFTER TIME / INOJ
THIS YEAR / Curtis Mayfield



〈次回、1/12(金)17時からの放送は?〉


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