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2018.01.26 Fri

伝統を守りながら進化する金平糖。緑寿庵清水

京都の金平糖の老舗「緑寿庵清水」が、創業以来初めての直営店を銀座にオープン。「緑寿庵清水」の藤田順子さんと猪飼晨さんに小宮山雄飛さんが話を伺いました。




創業170周年です。







銀座6丁目、泰明小学校のそばにオープンした「銀座緑寿庵清水」。まるでジュエリーを扱っていそうな、高級感漂う雰囲気のお店です。

小宮山雄飛「金平糖は、すごく歴史があるそうですね」

緑寿庵清水・藤田順子「金平糖は、南蛮としてポルトガルから日本に伝わりました。ちょうど戦国時代の織田信長の頃。キラキラ光る宝石のように感じられたそうです。最初はポルトガル語で『confeito(コンフェイト)』という名前だったのが、次第に『金平糖』と呼ばれるようになりました」

小宮山「庶民が食べれるような物ではなかったんですか?」

藤田「当時は砂糖がなかったので、高貴な方でないと召し上がれなかったんです」

小宮山「緑寿庵清水の創業はいつですか?」

藤田「昨年で創業170周年です」

小宮山「東京に直営店をオープンした理由は?」

藤田「金平糖は奥の深いお菓子。その技術をよりいっそう託し、挑戦し、関東のみなさんにもお召し上がりいただきたいと考えたからです」






田中「ポルトガルと日本って、すごく密接な関係があるんですよね。ビスケット、かぼちゃ、カステラ、かるた……すべてポルトガルが由来」

小宮山「南蛮渡来!」

田中「金平糖もそうだったんですね」



約20年の修行が必要です





小宮山「金平糖を作る工程を教えてください」

藤田「まず、でんぷんを乾かした『イラ粉』という0.5mmぐらいの核を釜に入れ、蜜をかけて育てていきます。一日蜜をかけても1mmぐらいの大きさにしかなりません」

小宮山「店内に、イラ粉の状態から4段階の工程が置いてありますが、完成までに約2週間かかるんですね」

藤田「ただ、金平糖が作れるようになるまでに、約20年の修行が必要です(笑)」




小宮山「緑寿庵清水いち押しの金平糖『いよかん果実糖』を買ってきました。愛媛県の伊予柑の皮を核にして作っているんですよ」

田中「木箱の中のお上品な薄紙に入ってる! 封を切った瞬間、爽やかな伊予柑のすごく良い香りが。子どもの頃に食べていた金平糖とはまるで別物ですね。ドライフルーツを食べているみたい。止まらなくなっちゃう!」

小宮山「緑寿庵清水は、伝統を守りながら進化しています。ほかにも新製品で『宇治金時の金平糖』、『ピスタチオの金平糖』、『梅紫蘇あられの金平糖』など、さまざまな金平糖を楽しめるそうです」

※放送でお伝えした緑寿庵清水の季節の商品「桃あられ」「花つづり」「さくらんぼう」は京都本店での取扱いになります。







紹興酒の『古越龍山』25年物をふんだんに使っています。







小宮山「これからバレンタイン・シーズンですが、金平糖を贈られたらうれしいですよね」

緑寿庵清水・猪飼晨「バレンタイン用にマカデミアチョコの金平糖をご用意しています」

小宮山「食べてみると、金平糖なのにチョコとナッツの味もある。一粒でとても味が濃いですね」

猪飼「マカデミアナッツを核にチョコレート味の蜜をかけています。最初はチョコレートの味、噛んでいただくとマカデミアナッツの香ばしい味。ひとつの金平糖で二回楽しんでいただけます」

小宮山「紹興酒の金平糖もあるんですね」

猪飼「銀座店の目玉です。紹興酒の『古越龍山』25年物をふんだんに使っています」

小宮山「『古越龍山』と言えば、紹興酒の中でも名だたる代表ブランド。大人の味で甘すぎない!」

猪飼「紹興酒は氷砂糖と一緒に飲む習慣がありますね。『古越龍山』も25年物になりますと、雑味や漢方独特の苦味が全部抜けて、紹興酒本来の深みや芳醇さがすごくが出てくるんです」

小宮山「食べた後も口の中にまだ紹興酒の香りが残りますね。男性は、プレゼントされたらとても喜ぶと思います。金平糖にこれほどのバリエーションや、技術と歴史があるとは知りませんでした。これから、もっとゆっくり味わって食べますね」

猪飼「金平糖を召し上がって、ちょっとでも感動していただけたら、我々もうれしいです」




小宮山「紹興酒の金平糖『至高の紹興酒の金平糖』は、一粒目の前に置かれただけで紹興酒のいい香りがするんです。お値段は15,000円(税抜)。銀座店にしか置いてありません」

田中「京都の本店にも無いんですか? すぐに買いに行きたい!」



さらに付加価値をつけた商品を。





これからのワクワク、教えてください!

猪飼「マカデミアチョコやクランベリーの金平糖にコラーゲンが入った物など、味だけでなくさらに付加価値をつけた商品を出しております。次はどんな金平糖が出るんだろう?と、お客様に楽しんでいただければ、我々も励みになりますし喜ばしいことです」



田中「緑寿庵清水の金平糖を食べると、金平糖の概念が変わりますよね。金平糖を『甘く』見てたな、と……」

小宮山「うまいこと言った感じ!?(笑)」

田中「私、引き出物に絶対入れよう!」

小宮山「いつになるか……(笑)」



放送でご紹介できなかったお話





小宮山「金平糖にレシピはあるんですか?」

藤田「レシピはございません」

小宮山「伝承されていく?」

藤田「一子相伝です。回転する、斜めになった大きな釜に金平糖を入れると、ザラザラザラという音とともに雨のように流れ落ちていきます。その音や状態を見極めながら、五感を使って、どこに蜜をかけるか、どのあたりでコテ入れをするかを判断します。10分放っておいたり、集中力を欠くと金平糖の形になりません」

小宮山「その作業を二週間行って、出来上がるんですね」

藤田「一日の中でも気温が変わりますので、蜜の濃度、釜の温度や斜傾、回転数を調整します。金平糖の要求に合わせて、すべて感覚だけで行います」

小宮山「その声が聞こえるようになるまで、20年かかるわけですね」

藤田「そうです。蜜掛け10年、コテ入れ10年。成人するのと同じで、20年かかります」



銀座緑寿庵清水
東京都中央区銀座6-2-1 (泰明小学校側)
03-5537-9111
営業時間:10:00〜19:30、土日祝10:00〜18:30
(※2月から営業開始時間が11時からになります)
定休日:月(祝日の場合は営業)
www.konpeito.co.jp


〈本日のオンエア曲〉
A00 B01 / Juana Molina
Loving Is Easy (feat. Benny Sings) / Rex Orange County


〈次回、2/2(金)17時からの放送は?〉


表参道にオープンした『オニツカタイガー 表参道 NIPPON MADE』をご紹介します。日本製にこだわったショップだそうです。お楽しみに!