語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2022年10月02日(日)

みなみのひとつぼし

ボクの宿主は27歳、派遣社員のマユさんです。

会社から契約終了を告げられ、今は不安な気持ちでいっぱい。

村山さん「気分転換に、星でも観に行かない?!」

誘ってくれたのは、いつも相談にのってくれてた正社員の村山さん。
天体観測が趣味なんだって。

とっぷり日が暮れた湖。
夜空を見上げると、そこにはぁ…

村山さん「今、“あれ? 思っていたより星が少ないかも”って顔したでしょ。
実は、秋の星空は、夏に比べると地味なんだよね〜。
一等星も、あの“みなみのひとつぼし”ぐらいでさ」

へ〜、そーなんだぁ〜。

村山さん「“みなみのひとつぼし”なんて名前からしてなんだか孤独だけど、あの星、マユさんに似てるんだよね〜」

えぇ、孤独なところが? それ、ちょっとショックかも〜。

村山さん「違う違う!
あの星って、秋の星空の中ではひときわ目立つから、昔は航海の時の目印になってたんだって。
自分では気づかないうちに誰かの役に立ってるって、すっごいと思わない?」

そういうことかぁ〜。
マユさんも、社員さんが働き易いように影でサポートしていたもんね〜。

うん、マユさんの頑張りを見ている人は、きっといるはずだよ。

これからも、あの“みなみのひとつぼし”のように輝き続けなくちゃね!

ボクら乳酸菌も、人知れず頑張っているんだ。
おなかの中が、ボクらの活躍の場さ。

じゃあ、また日曜のお昼に!