語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2022年10月09日(日)

思い出のアメリカンドッグ

ボクの宿主は60歳、息子さん家族とドライブ中の朝子さんです。

高速のサービスエリア。

朝子さん「あ、アメリカンドッグがある! 久しぶりに食べてみようかなぁ〜」

息子さん「へー珍しいね、おふくろがそんな子供っぽいもの」

驚いている息子さん。

朝子さん「そう? 昔はよく食べたのよ〜。
子供の頃、鍵っ子でね。
お母さんの帰りが遅いと寂しくて、パート先のスーパーまで迎えに行ってさぁ、そうすると、お母さんが、店で売ってるアメリカンドッグを買ってくれるの」

息子さん「へー」


朝子さん「すっごく嬉しかったんだよね〜」

うん。いい思い出だね。

朝子さん「だけど、仕事がなかなか終わらない時は、食べ終わっちゃって、串だけ手に持って、それでもベンチでずーっと待っててさー」

息子さん「ふーん、おふくろもばぁちゃんも、どっちも切なかっただろうなぁ〜」

息子さん、そんな風に感じてくれるなんて優しいね〜。

朝子さん「でも今は、息子家族とこうしてドライブできるんだから、本当に幸せよね〜。
はふ。うん、やっぱりおいしい! アメリカンドッグ」

あは! よかった!
ちょっぴり切ないアメリカンドッグの思い出が、今日でアップデートされたんじゃない。

ボクら乳酸菌は、みんなを幸せに導く案内人だよ。
ボクらも、みんなの思い出になれるといいな。

じゃあ、また日曜のお昼に!