語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年03月05日(日)

迷惑はおたがい様

ボクの宿主は28歳。
フリーランスで働く佐々木絵里さんです。

今日は、はじめて赤ちゃんと出勤。
急な仕事で、託児所に預けられなかったんだよね〜。

絵里さん「大丈夫かなぁ〜、緊張するなぁ〜」

うん、その気持ち、ボクもわかるよ。

赤ちゃんを抱っこしながら電車に乗ったり、仕事をしたり…。
ホントに出来るのか、心配なんだよね。

絵里さん「今日は打ち合わせだけだから、なんとか、いけそうな気もするし…。
でも、急に泣き出したら、どうしよう〜。
みんなに迷惑かけちゃう…」

考えれば考えるほど、不安になるよね〜。

ところが、電車の中では。

20代男性「どうぞ、ここ、かけてください」

すぐに席をゆずってもらえたり…。

打ち合わせ中、突然、赤ちゃんが泣きだすと。

40代男性「あれ? おなかが空いたのかなぁ〜?
佐々木さん、ちょっと休憩しよっか」

みんな、なんだか気遣ってくれる〜。

絵里さん「すみません。迷惑かけちゃって…」

40代男性「いや、迷惑じゃないし、たとえ迷惑だったとしても、それってお互い様だろ〜。
人間、迷惑をかけずに生きるなんて、所詮、ムリなことなんだからさ」

あは! うれしい言葉。
絵里さんが思っているより、絵里さんのまわりには、やさしい社会が広がっていたんだね。

ボクら乳酸菌は、おなかの中にやさしさを広げているよ。

じゃあ、また、日曜のお昼に!