語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年03月12日(日)

お返しはフィナンシェ

ボクの宿主は52歳。
パティシエを夢見て製菓学校に通う、一生くんのママさんです。

ママさん「去年はエクレアだったわよね〜」

パパさんと話しているのは、バレンタインデーのお返しのこと。

一生くんは、毎年、ホワイトデーに手作りのスイーツをプレゼントしてくれるんだよね。

ママさん「今年は製菓学校にも通いはじめたことだし、ボンボンショコラとかミルフィーユとか、難易度高いスイーツかもね〜」

期待がどんどん大きくなるママさん。

さて、ホワイトデー当日。

一生くん「はい。今年は、おふくろが大好きなフィナンシェ」

ママさん「フィナンシェ?」

あれ? 意外に難易度低めだね〜。
それに、ママさんが大好きって、どういうことだろう?

一生くん「だって、おふくろ、ホントは、父さんみたいに証券マンになってほしかったんだろう?」

ママさん「まぁ、最初はね〜」

一生くん「だから、金塊をモチーフにしているフィナンシェにしたんだぁ〜。
この間、学校で教えてもらってさ。
フィナンシェって、フランス語で金融家とかお金持ちっていう意味なんだよ」

なんだ、そういうことかぁ〜。
こんなふうに洒落のきいたお返し、一生くんも成長したよね〜。

あは! ママさんも金塊がいっぱいで、うれしいんじゃない?

ママさん「やだー、まるで私がお金の亡者みたいじゃない〜」

ボクら乳酸菌は、成長するみんなを応援するよ。
おなかの整腸は、ボクらに任せてね!

じゃあ、また、日曜のお昼に!