語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2023年09月10日(日)

愛と命の循環

ボクの宿主は57歳のトモヤさんです。

亡くなったお父さんが大切にしていた、お庭。
今日は、お父さんに代わって、はじめての庭仕事です。

夏の間、まったく手をつけていなかったから、草がボウボウ。

トモヤさん「ふぅ〜、キツイなぁ…」

9月だってまだまだ暑いし、根っこは絡まってなかなか抜けないし、ひと苦労です。

トモヤさん「ただの庭仕事だと思っていたけど、こんなに重労働なのかぁ〜」

お父さんが庭を愛していた気持ち、しみじみ感じるねぇ。

おや?
庭の隅に、見慣れぬ、ゴルフボールほどの植物が…。

トモヤさん「あれ? これって、もしかして…」

うん! 緑にうすい黒の縞々(しましま)模様、これは、スイカの赤ちゃんだね。

トモヤさん「いつの間に、こんなところに」

種を蒔いていないのに、不思議だね〜。
きっと、生ゴミを堆肥に変えるコンポストに入れる時、スイカの種が外にこぼれ落ちて、芽が出たんじゃないかな〜。

トモヤさん「終わりと思ったら、また始まったのかぁ〜」

あは! トモヤさんも、スイカの赤ちゃんも、先代から大切な命を授かって、次に繋いでいくんだね。

トモヤさん「これから秋だっていうのに、スイカの赤ちゃん、がんばれよ〜」

ボクら乳酸菌は、小さな小さな命も見守っているよ。
大きく元気に成長するといいなぁ。

じゃあ、また、日曜のお昼に!