語り手:乳酸菌

トンネルを抜けるとそこはおなかの中だった…。 乳酸菌は今日も人と生きている。 ボクらは乳酸菌。古くからこの星に住み、 人間や動物の体に宿り、日々活動しています。 そんな乳酸菌たちが宿主と一緒に喜んだり、悲しんだり。 時には励ましたり…おなかの中から 語りかけるストーリィをお楽しみください。

メッセージ

番組ではメッセージを募集しています!番組の感想や乳酸菌くん(語り手)へのメッセージをお寄せください。

2014年09月21日(日)

鈴虫の鳴き声

ボクの宿ぬしは、35歳の女性です。
ホームセンターからの、帰り道。
旦那さんの運転する横で、息子の直樹くんは、小さな飼育ケースを大事に抱えて…。
店先に並んでいた、鈴虫の飼育セット。
どうしても欲しいというので、仕方なく…。

ウチに帰っても、ケースを覗きっぱなしの直樹くん。
ついには、夜、枕元にまで…。
宿主:「直樹!早く寝なさい!」
直樹くん:「まだ鳴くとこ聞いてないから…、ねえ、いいでしょ?」
もう、仕方ないね…。

夜も深まって、旦那さんと、そっと部屋を覗きにいくと…。
あ〜あ〜、直樹くん、そのまま寝ちゃったみたい。
布団をかけに、そばへ。すると…。
直樹くん:「スズムシさん、鳴いて…」
ふふふ、寝言まで…。
ホントに聞きたかったんだね。と…。

リーン、リーン、リーン
あ、鳴いてる。
リーン、リーン、リーン
けど、残念…。直樹くん、熟睡。
でも…。

鈴虫の声もいいけど、やっぱり、直樹くんの寝顔には、かなわないかも。
ボクらも、おなかのなかから、健康というやすらぎを、お届けするよ。

じゃあ、また、日曜のお昼に。