2018/04/20 O.A

今週は、サカナクションのボーカル & ギターの山口一郎さんをゲストにお迎えしました!
ユーミン、サカナクションは、共に最近ベストアルバムをリリースしたばかり!
今日は、そんなお二方が改めて初心に返るコード「歌が生まれた場所」ということでお送りしました。

■今週のChordは“歌が生まれた場所”

●音楽を作るうえで欠かせないもの

ユーミン:山口さんの音楽的ルーツってどこにあるの?

山口:僕は最初、音楽を始める前に文学だったんですよ。

ユーミン:どのあたりが好きだったんですか?

山口:僕は詩ばっかりだったんですよ。昭和文学とかは触れていたんですけど、詩とか俳句、短歌。
石川啄木とか、詩だと石原吉郎とか、石垣りんとか、暗いというか・・・意味がストレートに捉えられないというか。

ユーミン:うんうん。

山口:いろんなものを隠喩していること、隠喩の遊びということに没頭していってて。
“こんなに美しい言葉があるのに、なんで同級生の人たちは覚えられないんだろう?気付かないんだろう?”っていうのを疑問に思っていたんですね。
そんなときに、クラスで一番バカだった奴が光GENJIの曲を何も見ずに歌い始めたんですよ。

ユーミン:うん。

山口:教科書の一文も覚えられない奴が、歌になった瞬間に言葉を覚えるって“音楽ってすごい!”って思って。
自分が美しいと思った言葉を音楽にして伝えたら、みんな覚えてくれるんじゃないか、というのと。
父親たちが感動してる音楽というもの、美しくて難しい部分ってどこにあるのかな?っていうのに、埋没していったんですよね。
文学が最初で、その次に音楽だったんですよ。

ユーミン:今回のベストアルバム『魚図鑑』釣りもお好きなようで、サカナクションっていうバンド名とか、魚っていうことと文学はリンクするの?

山口:基本的に音楽を作るときって、心象風景とか心象スケッチなんですよね。小樽っていう街は海なので、川も近くにあって、小さい頃から釣りをしていて。
何かあると一人で釣りに行くというか、夜、海に出て糸を垂らして物思いに耽るとか。そこで見た景色とか、遊んでいた仲間とかそこがベースにあって。25、6歳くらいで、その感覚みたいなものがわからなくなってきちゃって。
そこまでの貯金というか、小さい頃から25、6歳くらいまでの貯金でずっと音楽を作っているというか。
魚っていうのは、僕が音楽を作る上ですごく重要なビジュアルなんですよね。

●音楽って数学みたい

ユーミン:作詞は大変なタイプ?

山口:そうですね、僕は完全に曲先ですね。

ユーミン:私も曲先ですね。

山口:ほとんどですか?

ユーミン:9割、曲先ですね。

山口:僕、松任谷さんの曲を分析すればするほど、詞先なんじゃないかって思ってしまう曲もあったり。
これ、曲先で後から詞をつけたんだったら“ミュージシャンとしてどうたどり着いたんだろう?”っていう曲が、数え切れずあるんですよ。

ユーミン:音律と詞のリズムが合ってる、詞から映像が浮かぶ、ストーリーがある・・・三者、四者が合致しないとつまらないじゃないですか?

山口:「ルージュの伝言」って、歌詞のストーリーと曲調がすごく離れてるじゃないですか?
言葉だけで見たときに、あれって浮気された女性の心境ですよね?

ユーミン:そうですね(笑)。一郎くん、やっぱり真面目だな〜、若者だわ(笑)。

山口:だけど、アレンジってすごくアメリカナイズじゃないですか。

ユーミン:そう、アメリカンツイストみたいなので作ろうっていうのを、最初に思ったことなんですよ。

山口:後からあの言葉の世界観なんですか?

ユーミン:そうそう。

山口:すごいな・・・・・・。

ユーミン:で、「バスルームにルージュの伝言」っていうコピーが浮かんで。

山口:そこが最初なんですね。

ユーミン:コニー・フランシスの「カラーに口紅」っていうのがあるじゃないですか?
あの感じがアメリカンポップの世界観だなと思っていて。

山口:はい。

ユーミン:フランス語のルージュにしたんだけど、なんか口紅の感じ?
それで、エリザベス・テイラーの映画か何かで、鏡に口紅で書いているのがあってそれが残っていて。
それでちょうど、その部分のメロディが当てはまったんですよね。

山口:そこにいくのがすごいですよね。僕は自然の景色とか、自分の心の中っていう、狭いネガティブな方にいっちゃうんですよ。だから、それのギャップしかできないんですよ。
明るい曲調とか、激しい曲調に対して、暗いものだったり切ないっていうものの種類が、どこか宮沢賢治になっちゃうんですよ。

ユーミン:宮沢賢治いいじゃない!私、大好きだよ。

山口:宮沢賢治になっちゃうと、あまり理解されないんですよ。幅が狭くなっちゃうというか。
それに共感してくれる層っていうのは、どこかマジョリティじゃないというか・・・(笑)。

ユーミン:ここで、山口さんからアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』から、気になる一曲を選んでもらいましょう!

山口:正直、選べないですよ。聴いちゃうのはDisc2なんですよ。
Disc3はミュージシャンとして、戦略も表現の一部として考えたうえで、聴いちゃうんですよ。
1枚目は、天才感を浴びせられてる感じで気持ちいい(笑)。

ユーミン:ほんと?よかった(笑)。

山口:選んだのは、1枚目の「きっと言える」これの、アレンジとメロディと歌詞のアンバランスさ・・・だけど、気持ち良いっていう不思議さが最高だなと思って。

ユーミン:不思議な曲だよね。自分でも、二小節ごとに転調していって、“どこにいっちゃうんだろう?”って思って(笑)。でも、“帰結するじゃん!”って、音楽って数学みたいだなと思った曲です(笑)。

山口:どうなってるんだろうって思いましたね。

来週もサカナクションの山口一郎さんをゲストにお迎えして、お話を伺っていきます!
お楽しみに!

私も、ベストアルバム的ツアーを秋からスタートします。
「Ghana presents 松任谷由実TIME MACHINE TOUR Traveling through 45years」!
こちらは、数々の伝説のステージがよみがえる、タイムマシーンみたいなツアーです。
全国14会場29公演のアリーナツアーですが、これは絶対、観てほしい!
現在発売中のベストアルバム『ユーミンからの、恋のうた。』には、アルバム購入者限定の“チケット最速先行予約シリアルコード”が入っています。
ぜひぜひ、チェックしてみてください!

そのほか、今後のスケジュールや最新情報は、私のオフィシャルサイトや、FacebookTwitterInstagramをごらんくださいね。