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Dream HEART vol.572 空想地図作家 今和泉隆行さん 著書 「世界が広がる! 地図を読もう」

2024年03月16日

今和泉隆行さんは、1985年、鹿児島県のお生まれ。

7歳の頃から、実在しない都市の地図、空想地図を描き、
現在も、空想地図作家として、ご活動されていらっしゃいます。

大学生時代に47都道府県300都市を回って全国の土地勘をつけ、
2015年に、株式会社地理人研究所を設立。

日経ビジネスオンラインライター、ゼンリンアドバイザーを経て、
都市や地図に関する情報を、多様な人につかみやすい形で提供すべく、
情報デザイン、記事執筆、社員研修、テレビ番組やゲームの地理監修・地図制作に携わり、
地図を通じた人の営みを読み解き、新たな都市の見方、
伝え方作りを実践していらっしゃいます。

空想地図は現代美術作品として、各地の美術館にも出展されていらっしゃいます。


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──地図の有用性

茂木:今和泉さんは今回、『世界が広がる! 地図を読もう』という本を出されて、これも本当に素晴らしい本なんですが。今、地図が非常に注目されていて、高校でも「地理総合」という科目が必須になったということで。

今和泉:そうですね。地理が必修になったというので、地理界がざわざわしていますけど。

茂木:“地理界”ですか(笑)。地図について、今の現状をどうご覧になっていますか?

今和泉:世の中に流通してる地図は、皆ネット地図を使っているからあんまりそれ以外の地図を見ようとはならないんですよね。個人的には、Googleマップ…私も便利なので使っているんですけど、Googleマップ以外にも色んな地図があるので、時と場合によって色々使い分けるといいよ、とは思っています。

茂木:どういう使い方がおすすめですか?

今和泉:無料のアプリで見る方が多いと思うんですけど、Google以外にも無料の地図アプリはあるんですよ。Yahoo!地図とか、マピオンとかですね。検索するには検索屋のGoogleが一番いいんですけど、マピオンとかだと結構カラフルなので、検索しなくてもぱっと開いた状態で、町がどう賑やかが何となく分かるんです。

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茂木:え? 地図を見たら、街が賑やかかどうかが分かるんですか(笑)。

今和泉:例えば、商業施設はオレンジ色とか、宿泊施設は紫色とか、建物の用途別に色が塗られているので、その色がカラフルであれば、色んな人が来るんだな、ということが分かりますし。オレンジだけだったら、とりあえず店がたくさんあるから休日に買い物に行くような町なんだな、とかですね。

茂木:ということは、我々はまだ地図の使い方と言うか、地図の制し方をちゃんと分かっていないんですね。

今和泉:無意識に分かっている方はいるんですけど、Googleだけ見ていると、Googleはやっぱり検索して初めてわかる地図なので、検索しなくても見ただけで何となく分かる、みたいなのを、なかなか言語化しないんですよ。

茂木:今日は反省するなぁ。
今和泉さんは今、高校で総合学習の指導をされていらっしゃるということなんですけど、最近の高校生は、空想地図みたいなものについてどうですか?

今和泉:地理の科目とかではなくて、教科外の探究学習の枠で毎週授業をしているんですけど。別に、特に地図にもデザインにもそんなに興味がない普通の高校生に向けて、いきなり「空想地図を作ってね」と言うんです。でも、意外と皆作れてしまうんですよ。

茂木:地図は、GoogleもそうですけどもAppleも作っているし、一大ビジネスですよね。

今和泉:そうとも言われているんですよね。

茂木:レストランとかホテルとかはそこに張り付いているし。だから、実は地図は有望なんじゃないですか?

今和泉:そうなんです。位置情報みたいなものと、それをどういう風にIT・情報で編集して出していくか、みたいなものは、一つの潮流を迎えていると思います。

茂木:そうですよね。しかも今和泉さんがずっとやられてるような、人間が見た時に読み取りやすい地図…地図のリテラシーみたいなものも含めて、これは今すごくわくわくする分野ですよね。

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今和泉:そうだといいんですけどね。BtoBと言うか、さっきの“有望”という話では、例えば物流を合理化するとか、あとは災害が起こった時にどういう風に状況を把握するか、みたいな技術屋さんの話なんですよ。ただ、一般的に素人が地図を見て、どういう風にこの街の様子が分かるか、という話は意外としていなくて。「誰もしてないじゃん!」と。

茂木:それが今回出された『世界が広がる! 地図を読もう』という、誠文堂新光社から出された本に繋がると思うんですが。地図を見て、例えば「友達にルート案内をしてみよう」とか、「お城をつくるんだったらどこにつくる」。これは面白いですよね。

今和泉:そうなんですよ。空想地図作者の中でも、「お城をどこに作るのか」という話は盛り上がるところなので。

茂木:人によって好みがある、と。

今和泉:と言うか、時代による好みをどう採用するか。

茂木:どういうことですか?

今和泉:戦国時代は山の上が多いんですね。戦うために、外を見張るための軍事基地としての城というのが戦国時代。
そして、江戸時代になると、街の中になるんですよ。江戸時代は戦わなくなるんですね。どちらかと言うと行政府としての街で、しかも、鍛冶屋とか呉服屋とかそういう色んなものを求めるので、そういう人たちを束ねる、そしてその街道の結節点であるところを治めるための城。だから、今の市役所みたいなものなんですよ。

茂木:そうなってくると、この「空想地図でどこにお城を作りたいか」という問い掛けは、総合学習の入口としてはすごくいいですね。

今和泉:そうなんですよ。これはいいぞと思って。

茂木:本当に、地図を入口として世界のこと…例えば歴史のこともわかるし。あと「古地図から意外な発見」という項目もあって、古い地図を見ていると、色々面白いことが分かるんですか?

今和泉:はい。今の地図を見ると全然川に見えないんだけども、昔ここは川だったんだ、とか。逆に東京の荒川のように、昔は川じゃなかったところに川ができたり、みたいなのもあるので、比べると面白いですよね。

茂木:地図を見ると、そういうことの痕跡とか、履歴がわかってくるんですか?

今和泉:そうなんです。なるべくこれを、古地図を見ずに現代の地図を見るだけで、「昔こうだったんじゃないかな」が読めるといいわけです。古地図はその答え合わせで「やっぱそうだったんだな」とか、「あれ? 違った!」とかで見るといいですね。

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今和泉隆行 (@chi_ri_jin)さん公式アカウント / X(旧Twitter)


「空想都市へ行こう!」今和泉隆行さん 公式サイト

↑※番組でお話しに出ていた、今和泉さんの空想地図
 「中村(なごむる)市」を始め、空想地図の楽しみかたなど、
 情報が満載です!


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