1年を通してスイカを栽培している沖縄県・今帰仁村の『観光客向けカットスイカ』
オンエアレポート
2025.06.26
今回、注目するのはこちらです。「1年を通してスイカを栽培している沖縄県・今帰仁村の『観光客向けカットスイカ』」

今回のイノベーターは、「JAおきなわ」の島袋嗣也さんです。
沖縄県・今帰仁村では、1年を通してスイカの出荷ができるということですが、これは、どうしてなのでしょう?
「沖縄県は温暖な気候のため、冬場でも暖房をたかずにハウス栽培でスイカを生産することができます。
「また、今帰仁村はおいしいスイカ作りに適した水はけの良い土壌が多かったこともあり、
スイカの栽培が盛んに行われています」
今帰仁村のスイカ、どのような魅力があるのでしょう?
「沖縄の温暖な気候を活かし、南国の太陽光を燦々と浴び、甘くておいしいのが魅力です。
特に冬にスイカを作れる産地は少なく、希少性も高いです」

そして、生産したスイカでつくった“観光客向けのカットスイカ”の商品名が「今帰仁すいきゃ!」です。
どのような思いがあって、販売を始めたのでしょうか?
「農業振興上、沖縄は東京などの大消費地から遠いというデメリットがある一方、
年間1千万人以上の観光客が訪れていただき、沖縄の農産物を食していただけるというメリットがあります」
「このメリットを活かして、農産物の観光資源化による農家の所得向上に繋げるため、
観光客向けカットスイカの販売を企画いたしました」
商品名やカップのデザインにも、こだわりがある、ということです。
「観光客の方々に買っていただくためには、興味を持たれるような商品名やカップデザインにする必要があります」
「そのため、農家やJA職員以外に近隣の大学生の皆さんにもプロジェクトチームに入っていただき、
『今帰仁すいきゃ!』という商品名を付け、可愛らしいデザインのカップに入れて販売しております」
こちらは、1年中、販売しているのでしょうか?
「食べた方に『おいしい』と言っていただくことが最も重要なことですので、カットスイカの糖度は12.5度以上としています。
そのため、12.5度以上の糖度が出る12月から6月を販売期間と考えています」

“観光客向けのカットスイカ”の販売を始めたことについて、農家さんは、どのような感想を話していますか?
「生産部会という組織で個々の生産者がスイカを作っていますが、軌道に乗せることができれば、
所得の向上にもつながるとのことで、可能な範囲で積極的に手伝ってもらっています」
今帰仁村のスイカに関して、今後は、どのようなことをしていきたいと考えていますか?
「今帰仁村では近々、大型テーマパーク(ジャングリア沖縄)が開園し、さらなる観光客の増加が見込まれています」
「今後は、カットスイカだけではなく、スイカの果汁を使ったアイスクリームなどの商品開発にも取り組んでいくことで、
“今帰仁スイカ”の観光資源化を、さらに進めていければ、と考えています」

「カットして販売することで、廃棄も少なくなる」というメリットもある、「今帰仁すいきゃ!」。
12月から6月の期間、沖縄に行った際には、ぜひ、探してみてください。