使用済みの乾電池でつくった肥料
オンエアレポート
2025.07.24
今回、注目するのは、こちらです。「使用済みの乾電池でつくった肥料」

今回のイノベーターは、TOMATEC株式会社 無機事業部 技術課の秋友勝さんです。

TOMATECは、包装材料を主体とする東洋製罐グループの一社で、
機能性ガラス・顔料・ゲルコートなどを製造・販売している材料メーカーです。
「使用済み乾電池でつくった肥料」は、どのような思いがあって、開発したのでしょうか?
「パナソニック エナジー株式会社が使用済み乾電池の有効活用を模索していた際に、当社にお声がけいただきました。
乾電池の中身を知った時に、成分を分別することなく、丸ごと肥料の原料に使えると考え、開発をはじめました」

使用済み乾電池で、どのように肥料をつくるのでしょう?
「乾電池にはマンガン乾電池とアルカリ乾電池がありますが、いずれも、高純度のマンガンと亜鉛が豊富に含まれています」
「この乾電池の中から取り出したミネラル粉末を、ガラスの原料と混ぜ合わせ、高温で融かして、ガラス化します。
このとき、マンガンや亜鉛などが作物に吸収されやすい形に変わります。
こうしてできたガラスを細かく粉砕することで肥料が作られます」
「なお、乾電池をそのまま畑に撒いても効果はありませんので、その点はご注意いただきたいです」

使用済み乾電池でつくった肥料
こちらの肥料は、どのような効果が期待できるのでしょう?
「基本的にすべての農作物に、ご使用いただけますが、
特に亜鉛を多く必要とする果樹、お茶、豆、野菜などで効果を発揮します。
亜鉛は、植物が様々な環境ストレスに耐えるために、重要な役割を果たしていると言われています」
農業に関して、今後は、どのような取り組みをしていきたいと考えていますか?
「使用済み乾電池を回収し、乾電池由来の肥料を広めることで、環境に配慮したリサイクルの拡大を目指していきます」

乾電池メーカーを助けるだけでなく、農家さんにもメリットがある、乾電池由来の肥料。
今後、広がっていくことを期待しています。