お米から作ったマヨネーズのような調味料
オンエアレポート
2025.08.07
今回、注目するのは、こちらです。「お米から作ったマヨネーズのような調味料」

今回のイノベーターは、新潟県農業総合研究所食品研究センターの小林和也さんです。

“お米から作ったマヨネーズのような調味料”の商品名は「ライスマヨソース」。
米由来の原料から作ったマヨネーズの代替食品ということです。
「卵アレルギーに悩んでいる方やプラントベースフード(植物性の食材からなる食品)に関心のある方にも
使っていただける製品になります」
「新潟県農業総合研究所食品研究センターと
新潟県小千谷市にある みそしょうゆメーカーの山崎醸造株式会社で共同開発しました」
お米から、どのようにマヨネーズのような調味料を作るのでしょうか?
「原料には、米油、米酢に米発酵食品を使っています。
マヨネーズでは、水と油の乳化に卵黄が用いられているところを、
この製品では米発酵食品を代用しているところが特長になります」

普通のマヨネーズと比べて、お味は、いかがですか?
「味は『マヨネーズみたい』という人と、『みそみたい』という人がいますが、
共通して『おいしい』と評価していただくことが多いです」
使い方は、普通のマヨネーズと同じですか?
「“野菜にかける”、“ポテトサラダに使う”など、普通のマヨネーズのように使うことができます」
小林さんのおすすめは「ポテトサラダ」ということです。
どのような思いがあって、この調味料を開発したのでしょう?
「米どころである新潟県の立場では、長年、お米の消費量が減少してきた中で、
お米の用途開発を進めたいという思いがありました。
今はお米が不足気味ではありますが、農家の方が引き続き安心して稲作を継続できるきっかけづくりが
私たちの仕事になります」
「一方で、山崎醸造さんは、以前からアレルギー対応食品の製造販売を手掛けています。
食品アレルギーをもつ方とそうでない方が同じものを食べられる機会を提供したいというのが、
山崎醸造さんの思いになります」
「両者の思いや技術があって、開発できたのがこの製品になります」

試作品
開発には2年かかったということですが、特に苦労したのは、どのようなところですか?
「卵黄の代わりになるような乳化力の高い米素材を見つけるのに苦労しました。
いくつか試していたが、なかなかうまくいきませんでした」
「いくつかの米素材を試しているうちに、みそに乳化力があるとの文献を見つけました」
「そこで、山崎醸造さんが以前からアレルギー対応食品として製造販売している
『大豆を使わないおみそ調味料』という米由来の代替みそを原料に使うことを思いつきました」
「すぐに試作してみたところ、この代替みそが優れた乳化力をもつと判明しました。
元々、アレルギー対応食品を扱っていた山崎醸造さんの技術を転用した点が、一番工夫したところになります」

新潟県農業総合研究所食品研究センターと山崎醸造株式会社の思いが結実し、商品化に至った、この調味料。
卵アレルギーで悩む方だけでなく、多くの人が使う調味料として定着することを期待しています。
(「ライスマヨソース」は山崎醸造HPで購入できます)