自動でニラを刈り取る機械『NiraYoshi』
オンエアレポート
2025.08.14
今回は、こちらに注目します。「自動でニラを刈り取る機械『NiraYoshi』」

今回のイノベーターは、JA全農山形 営農企画部 営農支援課の伊藤綾里さんです。

山形県では、ニラの生産、盛んに行われているのでしょうか?
「ニラは、山形県の北東に位置している最上地域で盛んに栽培されており、
『達者de菜(たっしゃでな)』というブランド名で親しまれています」
「『達者de菜』には、
“ニラを作る方も食べる方も達者で長生きできますように”という願いが込められているようです」
山形県のニラ、どのような特徴があるのでしょう?
「山形県のニラの魅力は、甘くて食べ応えがあるところだと思います」
「山形のニラは作り方が特徴的で、基本的に同じ株からの収穫を年3回までとしているので、
太くて、肉厚な葉っぱのニラができあがります」
「また、気温が上がらない時間から収穫にとりかかるので、
鮮度が保たれて、みずみずしいことも魅力の1つと感じています」

そもそも、ニラは、どのように収穫しているんですか?
「ニラの収穫作業は、鮮度を保つために夜明け前から始まって、1株ずつ、鎌で刈り取って収穫しております」
「長時間、腰や膝を曲げた姿勢のまま収穫作業を行うため、
身体的な負担が大きくて大変だという話を伺っていました」
「そのお話をきっかけに、生産者の方の助けになるものはないかと考え、ニラ収穫機械の開発を始めました」
「刈り取り作業の時間短縮や負担を軽減することで、生産規模の拡大につながれば、
より安定した生産体制が実現できると思っています」

開発した、自動でニラを刈り取る機械「NiraYoshi(ニラヨシ)」は、どのような機械なのでしょう?
「この機械は自走式で、簡単なスイッチ操作による立ったままの刈取作業を実現しました」
「また、エンジンではなく、モーターで動くため、深夜から早朝にかけての収穫でも静かに作業することが可能です。
そして、自分でカッターの位置を上下に調整することで、ニラを刈る高さの調節ができます」
「機械の大きさも軽トラックへの積載が可能なサイズとなっています」

開発には5年かかったということですが、苦労したのはどのようなところですか?
「一番苦労したのは、切り口をきれいにすることでした。
ニラは1年の間に同じ株から収穫を続けるので、きれいに刈ることができないと、次の生育に影響を及ぼしてしまいます」
「そのため、どうすれば、よりきれいに刈れるのか、共同で機械の開発をしている株式会社サンユー技研さんと
多くの実証を重ねてきました」
「また、ニラの収穫は雨のときでも行われるので、天候や畑のぬかるみにも左右されずに作業ができるように、
様々な工夫をこらしています」
この機械について、農家さんは、どのような感想を話していますか?
「今年6月に実演会を開催した際には、
『立ったまま刈り取り作業ができること』や『手作業に比べて短時間で済むのがいい』というお声をいただきました」
この機械は、すでに販売開始していて、デモ機の貸出も行っているということです。

今後、この機械が普及し、多くのニラ農家さんの負担が減ることを期待しています。