中小企業の農業参入をサポートする会社『JAMPS』
オンエアレポート
2025.11.13
今回は、こちらに注目します。「中小企業の農業参入をサポートする会社『JAMPS』」

今回のイノベーターは、株式会社JAMPSの取締役部長、山本大輔さんです。

中小企業が農業に参入するときのサポートをしてくれる、ということですが、
こちらは、どのような思いがあって、始めたのでしょう?
「中小企業の経営者は、地域に密着し、地域課題を真剣に考えている方が多い。
そして、地元への“郷土愛”が強いからこそ、地域の農業の担い手として本気で取り組める存在だと感じています」
「一方で、企業が農業に参入して成功するのは簡単ではありません。
『未経験の企業が本当に農業で成功できるのか?』という不安を持たれる方も多い」
「しかし、将来の日本の農業を考えると、企業が農業に関わらなければ担い手がいなくなるのが現実です。
だからこそ、企業が“続けられるだけの収益”を出せるようにすることが不可欠。
私たちはこれまでの失敗事例を研究し、それを徹底的に排除することで、
企業が成功できるビジネスモデルをつくってきました」

たとえば、どのような企業に対して、どのようなサポートをしたのでしょうか?
「北陸地方で小売業を営む企業の例があります。
日射量が少なく、トマトの栽培には不利な地域でしたが、社長は“地元のために挑戦したい”とスタートされました」
「当初は私たちの技術も未熟で苦労しましたが、栽培技術と人材育成を重ねた結果、
現在では11月上旬から翌年7月末まで出荷を続け、トマトが足りないほどの人気です」
「また、その地域は過疎化が進んでおり、地元活性化のために、いちご狩り事業にも取り組まれました。
人口1万人の町で、シーズン中に1万人を集客するまでに成長し、
今では予約がすぐに埋まる人気農園となっています」
こちらの企業は、栽培を始めてから4年目ぐらいで、トマトが人気になったということです。

こちらの会社は、どのようなことが成功につながったんですか?
「JAMPSの栽培技術の向上が、最も大きな成功要因だと思います」
「通常、1人の農家さんだと、1年に1作しか栽培ができません。そのためデータを蓄積するのに何年もかかります。
一方、私たちJAMPSでは、1年でご支援先の数だけデータを蓄積できるんです」
「しかも、同じハウス・同じ設備・同じ苗・同じ土・同じ栽培方法という共通条件で栽培しているので、
そのデータを横断的に比較・分析して改善に活かすことができます。
この仕組みを通して、毎年、確実に栽培技術を高めることができました」

中小企業が農業に参入するとき、失敗しないようにするためには、どうすれば良いのでしょうか?
「“とことん納得するまで調べること”と、“事実を見ること”です」
「うまくいく道筋を楽観的に考えすぎず、分からないまま始めないこと。
新規事業として農業を捉えるなら、冷静に現実を見て、準備することが成功の近道だと思います」
「弊社としては、農業参入を検討する中小企業の経営者向けに
『中小企業が勝てる!農業参入セミナー』を開催しています」
中小企業のサポートをする中で、日本の農業については、どのようなことを感じていますか?
「日本の農業は、これから大きく変わらざるを得ない時期に入っています」
「かつては多くの人が関わっていた産業でしたが、今は生活から少し遠い存在になってしまった。
それでも最近は、一般の方の関心も再び高まっています」
「これからの10年が、日本の農業の転換点になると思います。
私たちはその中で、次世代の担い手となる企業が農業で成功できるよう全力で支援し、
少しでも日本の農業に貢献していきたいと考えています」

山本さん、株式会社JAMPSの「地域の農業の担い手を増やす取り組み」、これからも応援しています。