衛星画像とAIを活用した栽培管理支援システム
オンエアレポート
2025.12.11

地力マップ
今回は、こちらに注目します。
「衛星画像とAIを活用した栽培管理支援システム」

今回のイノベーターは、BASFジャパン株式会社の東島明さんです。

東島さんにお話を伺うのは、
衛星画像とAIを活用した栽培管理支援システム「xarvio(ザルビオ)フィールドマネージャー」です。
こちらは、どのようなシステムなのでしょうか?
「水稲、小麦・大麦、大豆をはじめ19の幅広い作物に対応しています。
さまざまな情報をAIが解析し、予測や推奨を提供することで、農家さんが迅速かつ的確な意思決定を行い、
農場管理の効率と収益性を向上させることを支援します」
このシステムは、どのように使うのでしょう?
「初めてお使いいただく場合はアカウント登録が必要です。
xarvioフィールドマネージャーのページにパソコンからアクセスして、
お名前やメールアドレスなどを登録いただくと、すぐに利用可能になります」
「また、アカウント登録後にパソコンからマップや予測などの機能も購入していただくことも可能です」
「どのデバイスからでもアクセスできるので、事務所での情報入力にはパソコン、
現場でのマップ確認はスマートフォンなど、場面ごとに使いやすい端末でご利用いただけます」

このシステム、どのような機能があるのでしょうか?
「たとえば、『地力マップ』。
こちらは、過去15年以上の衛星データから圃場内の生育の傾向をAIが解析し、地力を推定したマップです。
圃場の中で、例年、どのエリアの収量が良く、どのエリアが悪いのかが把握できるので、
肥料コストを削減しながら、地力の均一化を図ることができます」
「また、『生育マップ』は、葉面積指数という、地表面積に対する葉の面積の割合を示す指数に基づいて、
圃場内の生育状況をマップで表示します。
生育状況をxarvioフィールドマネージャーの画面で確認できるので、見回るべき圃場がわかり、
圃場の見回りの時間を削減しながら、適切な追肥判断や追肥量の調整が可能になります」

生育マップ
このほかには、どのような機能があるのでしょう?
「地域・品種・天気など様々な情報をAIが解析して、リアルタイムな生育ステージを予測する機能があります」
「例えば、水稲栽培では、幼穂形成期、穂ばらみ期・出穂期の細かな生育段階の予測が出るので、
防除や肥料、収穫期など適切な時期を見極める判断材料になります」

生育ステージ予測
「また、『病害アラート』では、気象データや作付け品種の病害への抵抗性データをもとに、
病害の発生リスクが高まるタイミングを予測して、アラートでお知らせします」
「水稲については、病害だけではなく、最近話題になっているイネカメムシなどを含む害虫の防除や
雑草の防除タイミングアラートも提供しております」

病害アラート
このシステム、どのような思いがあって開発したのでしょう?
「BASFは100年以上にわたり、作物生産と農家さんをサポートしています。
持続可能な農業を目指して、最新の技術を活用したイノベーションを農家さんに提供しています」
「xarvioのプラットフォームは30年以上前から開発しており、日本の農家さんの作物生産をサポートしたいという思いで、
アジアでは初めて、2021年から日本でサービスを開始しました」
このシステムについて、農家さんはどのような感想を話していますか?
「はじめはAIが出す予測や推奨が正しいのだろうかと思われる方もいらっしゃいましたが、
使ってみたら、xarvioが正しかったと実感してくださる農家さんが多いです」
「xarvioの情報をもとに防除や施肥を行うことで、コスト削減や収量アップに役立つとの声もいただいています」
「農家さんの作業効率化や収益向上に貢献し、ベストパートナーとして選んでいただけるように、
xarvioは今後も進化を続けていきたいと考えています」

農家さんの作業効率化や収益向上に貢献する技術の開発、これからも応援しています。