食材の長期保存を可能にする技術『ZEROCO』
オンエアレポート
2026.02.19
今回は、こちらに注目します。「食材の長期保存を可能にする技術『ZEROCO』」

今回のイノベーターは、ZEROCO株式会社の代表取締役社長、楠本修二郎さんです。

ZEROCO(ゼロコ)は、どのような技術なのでしょう?
「ZEROCOは、冷蔵でも冷凍でもない“第三の保存”を目指した鮮度保持技術です」
「雪下野菜に着想を得て、庫内をおよそ0℃、湿度はほぼ100%という“低温・高湿”の状態で安定させ、
野菜や果物、魚や肉などを生鮮のまま、長期間品質を保ちながら美味しくします」

たとえば、どんな野菜や果物を、どのぐらいの鮮度でどのぐらいの期間、保存できるのでしょうか?
「レタスは約3か月、白菜は半年、キャベツは約8か月、ごぼう・にんじんは1年、
いちごは約3か月、桃は約2か月、梨は約1年などです」
「取り組み事例として、半年保管した梨を冬のドバイに初めて輸出したり、
土佐文旦を約5か月保管して“旬を越えて”提供した例もあります」

(左)ZEROCOで保存/(右)通常の冷蔵保存
どのような仕組みなのでしょうか?
「ZEROCOは、約0℃・湿度100%弱の環境をむらなく安定させます。
さらに結露の発生を抑制することで乾燥・凍結・カビ・腐敗リスクを抑え、食材を高鮮度で長期間 保管します」
「たとえば、冷蔵は乾燥しやすく、食材の水分が抜けてしなびたり、傷みが進みます。
逆に“高湿”は本来、結露が出てベタついたり、カビや凍結の原因になりやすい。
この組み合わせを成功させたところに新規・独自性があります」
どのような思いがあって、この技術を開発したのでしょうか?
「背景にあるのは、一次産業の現場の課題です」
「野菜や魚は“生鮮”なので、腐敗=在庫が持てない。
その結果、出荷のタイミングも価格もコントロールしづらく、フードロスも起きやすい。
ZEROCOは、そこを変えて、“生産者が在庫を持てる”“出荷を調整できる”状態をつくり、
持続可能な農業・漁業・畜産につなげたい、という思いで開発を進めています」

この技術について、農家さんは、どのような感想を話していますか?
「農家さん側の受け止めとして語られているのは、主に3点です」
「1点目は、出荷の“縛り”がゆるむ(すぐ出さないといけないが減る)。
2点目は、在庫管理ができるので、価格が崩れやすい局面でも調整余地が出る。
3点目は、結果として、価格の安定化・収益性の向上につながる期待がある」
「実際、大型設備の実証では、保存・流通期間を延ばし、産地側が在庫を持ちながら
新しいバリューチェーンを作る狙いがあり、
すでに熊本にある植木青果市場の中に大型(約70坪)設備、
千歳の流通拠点に大型(約50坪)設備を導入しています」
この技術の今後については、どのようなことを考えていますか?
「一次産業が“在庫を持てる”流通をつくって、地方創生やフードロス削減へ。
そして、日本のおいしい食材を、より良い状態で海外へ届けていくことで、日本の食の未来をつくっていきます」

「在庫を持てない」という一次産業の課題の解決につながる可能性がある、この技術。
今後さらに普及していくことを期待しています。