スマートウォッチで従業員の作業効率を“見える化”している高知県の農業法人
オンエアレポート
2026.11.05
今回、注目するのはこちらです。「スマートウォッチで従業員の作業効率を“見える化”している高知県の農業法人」

今回は、株式会社分ち合ふ(わかちあう)農園の代表、宮崎武士さんにお話を伺います。

「分ち合ふ農園」は、高知県安芸市でハウスを使った施設園芸でナスの栽培を行っている農業法人。
宮崎さんはナスの栽培に携わって17年目。
IoTやデジタル技術を活用したデータ経営や働きやすい環境づくりにも力を入れています。

―――「スマートウォッチで従業員の作業効率を“見える化”するシステム」を去年12月に導入
このシステムについて教えてください
従業員にスマートウォッチ(Pixel Watch)を着けてもらい、日々の収穫作業などのデータを収集する仕組みです。
「SAWACHI」といったIoTハウス環境モニタリングシステムや自作の管理ポータルと連携させ、
誰が・どのハウスで・どれくらいのスピードで収穫したかといった「作業の効率」を正確にデータ化しています。
その客観的なデータに基づいて、効率よく多くの成果を出してくれた従業員には、
その分、しっかり給与として還元する評価システムにしています。
―――どのような思いがあって、このシステムを導入したのでしょうか?
苦い経験がきっかけです。
従業員が私の曖昧な評価で退社してしまいました。
この苦い経験を踏まえ、
がんばって効率を上げた人が正当に報われるフェアな評価基準を作りたいという思いから導入しました。
―――このシステムによって、従業員の皆さんには、どのような変化がありましたか?
作業効率が確実に上がっています。
自分の収穫スピードや作業量が数字として常に“見える化”されるので、
「きょうはきのうより早く終わらせよう」といった具体的な目標が持ちやすくなり、
自然と無駄な動きが減って効率化が進んでいます。
また、従業員の残業が減りました。
仕事を早く終わらせることに意味があるという考えが浸透したと感じています。
―――宮崎さんは、どのようなことを感じていますか?
データを取ることで、
農園全体の「ボトルネック(作業が詰まりやすいポイント)」がどこにあるのかが明確にわかるようになりました。
また、従業員自身が「時間」ではなく「成果」を意識するようになり、
単なる作業者ではなく、一緒に農園の生産性を考えてくれるパートナーに変わってきたと感じています。

―――このシステムについて、従業員の方はどのような感想を話していますか?
「自分の成長が数字でわかるのが面白い」という声や、
「社長の感覚や好き嫌いではなく、正確なデータで評価してもらえるので納得感がある」という感想をもらっています。
ゲーム感覚で作業スピードの向上を楽しんでくれている部分もありますね。
最初はネガティブに捉える従業員もいましたが、
導入後、従業員と相談しながらシステムを少しずつ改善しているので納得感が出ています。
―――このシステムについて、現状、課題だと感じていることはありますか?
スマートウォッチの充電管理や、
機器の操作に慣れるまでのサポートといったハード面・ITリテラシー面の課題は少しあります。
また、単純な「スピード」や「量」だけを追求して、ナスの「品質」や「丁寧さ」が疎かにならないよう、
評価指標のバランスをどう取っていくかが現在の課題であり、日々アップデートしているところです。

今回の取材で宮崎さんは
「作業効率が良くなったので、より新鮮なナスを届けることができていると感じている」とお話しされていました。
従業員の皆さんの「作業効率とやる気向上」につながる取り組み、これからも応援しています。
