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TOKYO FM

FROM LOVE

マリリンとダイアナ

FROM LOVE / 2021.09.07 update
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もともとマリリンモンローのために書かれていたCandle in the wind.

歌詞を見比べてみると、
ダイアナのために書きなおされた1997バージョンは
まったく別の歌詞になってるんですけど、
美しい存在を失った悲しみから、
どちらもまったく同じ慈しみと愛と敬意が溢れている作品です。

このすごさ。
この感覚、伝わりますでしょうか。

一曲にたいして、二つ歌詞を書くなんて普通無理です。
最初に宿るものがあって、先に完成していたものを崩すなんてできないから。

ですが、マリリンモンローとダイアナ妃、この二人のためにならできたんでしょうね。

歌い出しですが、
マリリン「Good bye Norma Jean」さようならノーマジーン
ダイアナ「Good bye England's rose」さようなら英国の薔薇
となっていて、そのあとの展開も見事。
それぞれの女性にあてた手紙の形式をとりながら、彼女たちの人生を描いています。

マリリンの方は、
女優として有名になった代償にたくさんのものを失ったことと、孤独について。
ただの「マリリンモンロー」以上であるはずの存在、
彼女の中の「人間」を見ている視点で描かれています。
彼女の人生を、孤独の雨に打たれて揺らぎ、それでも燃えるキャンドルに例えています。

一方、ダイアナの方は、
同じ雨に打たれても英国の緑の丘に咲くバラに例えています。
実際にある、華やかなピンクのバラ。
英国の人たちの心を明るくしたダイアナにはぴったりのイメージ。
彼女を失った悲しみと、彼女が残した大きな喜びを綴っています。


本当に見事な歌詞なんです。
そして出口は両バージョンとも同じなんですね。

'Your candle burned out long before your legend did'

あなたの伝説は永遠、あなたの命はそれより早く燃え尽きただけのこと

本当に胸が詰まるくらい、聴いてるとギュッとなる歌詞なのです。


LOVE xx

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